病気や怪我の時に、私たちを助けてくれる「薬」。
でも間違った薬の飲み方や使い方は、体に害を及ぼします。
「薬」に対する正しい知識を身につけて、上手に薬を活用しましょう。

受動喫煙を知っていますか

 「受動喫煙」とは、たばこの煙を自分の意思とは関係なく吸ってしまうことをいいます。社会的にも問題となっている受動喫煙について、今回は「薬」からちょっと離れてご紹介します。

たばこを吸う人以上の害に

 たばこの煙には「主流煙」と「副流煙」「呼出煙」の3つがあります。たばこを吸う人が、たばこから直接吸い込む煙が主流煙、火をつけたたばこの先から立ち上る煙が副流煙、たばこを吸った人が吐き出す煙が呼出煙です。副流煙は主流煙と比べると、ニコチンで2・8倍、タールが3・4倍、一酸化炭素は4・7倍も含まれていることがわかっています。この副流煙や呼出煙を、意図せず吸ってしまうことが「受動喫煙」なのです。

受動喫煙による健康被害

 副流煙、呼出煙にはさまざまな有害物質が含まれていますが、その中でも特に「ニコチン」「タール」「一酸化炭素」は、摂取することで病気のリスクが非常に高くなります。
 ニコチンは、血圧を上げたり心拍数を増やしたりして心臓に大きな負担を、タールはがんの発症率や進行速度を高めます。一酸化炭素は、血液中の酸素の循環を阻害し、酸欠の状態にすることで動脈硬化などさまざまな病気を引き起こします。これらの「害」をたばこを吸う人も、吸わない人もきちんと理解しておきましょう。

ルールを守って 受動喫煙をなくそう

 「受動喫煙」は、すぐにその場で具合が悪くなるわけではないので見過ごされがちですが、確実に人の体を蝕んでいきます。夫がたばこを吸う妻は、吸わない夫をもつ妻よりも肺がんになるリスクが約2倍に高まります。父親と母親が喫煙者だった場合、赤ちゃんが乳幼児突然死症候群(SIDS)で亡くなるリスクが約10倍になるといわれています。
 たばこは健康のために、できれば止めたいものです。吸う方は周りの人に受動喫煙をさせないよう、充分注意しましょう。
Health
Column

小学生・中学生のうちからきちんとした知識を


 たばこは、ゲートウェイドラック(入門薬物)ともいわれています。それは、中学生や高校生からたばこを吸っている子どもたちが、大麻や覚せい剤などの薬物へ移行する危険性があるからです。薬剤師会では、学校薬剤師が小学校や中学校へ伺って、たばこの害や依存の危険性、ドラッグの怖さを伝えています。小さいうちから正しい知識を持つことで、自分の身を守るとともに、健康な心と体を育んでほしいと願っています。

(2017年11月号掲載)

長野市薬剤師会

薬剤師会検査センター 水道水など飲用水の法定検査、河川や土壌などの環境検査等、その他公衆衛生に関する試験検査を幅広く行っています。
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