A. 介護する側が倒れると、より深刻な状況になるため、まずはお住まいの「地域包括支援センター」に相談し、自分たちだけで抱えこまないことが重要です。また、介護することを隠さずに会社側にもきちんと伝えることで、仕事を辞めずに続ける方法を考えましょう。
介護が長期化する場合に検討したいのが、「介護休業」です。
介護休業は、要介護状態である対象家族1人にあたり通算93日まで取得可能で、3回まで分けて取得することができますから、リハビリ専門病院への転院前のつなぎとして在宅介護を行うことも可能です。ただし、有期雇用契約の場合(パート、契約社員など)は、雇用期間1年以上で、休業開始から93日と6ヶ月の間に雇用契約が終了し更新がない状況でないことが必要です。
介護休業の申出は休業開始予定日と終了予定日を明確にして、休業に入りたい日の2週間前には会社に書面で提出しましょう。たとえ就業規則になくても、会社は拒否することはできません。
介護休暇と違って長期間取得できる介護休業ですが、その間は給与がないことが多く、経済的には厳しい状況になる場合もあるかと思います。そんな時に利用したいのが、「介護休業給付金制度」です。
介護休業給付金制度は、介護休業開始日前2年間に、11日以上働いた月が12ヶ月以上ある雇用保険加入者であれば申請することができます。ただし、65歳以降での介護休業開始や、介護休業開始時点で介護休業後の離職が決定している場合は支給対象になりません。
介護休業給付金の申請は、例外を除いて事業主が行います。休業開始予定日と終了予定日を明確にして、休業に入りたい日の2週間前には会社に申請を出しましょう。
給付金は、「休業開始時の賃金日額×支給日数×67パーセント」が支払われます。お給料の約3分の2が支払われると考えればよいでしょう。ただし、給付額には上限があります。賃金月額の上限が49万5000円と定められているので、支給額の上限はこの67パーセントの33万1650円となります(2019年7月31日までの額)。また、給付金は介護休業期間終了後に支払われるため、期間中に給付金を使えるわけではありませんので注意しましょう。
さらにもしも介護休業などを取得しようとして上司や同僚から嫌がらせを受けた場合には、事業主はこれを防止する責任があるので、人事に相談してみましょう。
「介護休業」等をはじめとするさまざまな制度がもっと活用されることによって、仕事と介護を両立することができる社会になるよう、私たちも努力していきます。介護に関する制度のお問い合わせは、長野労働局までお電話ください。