厚生労働省の発表によると、
長野県は2036年に医師が不足する地域に該当しています。
忙しい医師をサポートすることで、より多くの患者さんに
適切な治療を受けてもらえる環境をどう作り出していくのか。
医療現場に人材を送り続けているニチイ長野校さんにお話を伺いました。

少子高齢化が進む日本の医療は今、どうなっているのか

 少子高齢化が進む日本。国民医療費は、推計が始まった昭和29年度は2152億円でしたが、昭和36年度に国民皆保険が達成され、昭和40年度には1兆円を、平成2年度には20兆を超えています。医療費は現在も増加傾向にあり、平成29年度時点で、42・2兆円にまで達しました。そしてこの傾向は変わらず続くと予想されています。
 このような状況の中、少子化による人口構造の変化によって、保険医療制度も大きな課題を抱えています。医療費を支えるのは15歳から64歳までの現役世代ですが、この層の人口が減少していることで、1人あたりの負担がさらに重くなっています。
 昭和25年では1人の高齢者を12・1人の現役世代で支えていたのに対し、平成27年には高齢者1人に対して現役世代は2・3人となっています。そして、このまま少子高齢化が進むと、2065年には、1人の高齢者を1・3人の現役世代が支えなければならないという状況です。

医療現場は 今、どうなっているのか

 高齢化の波は、医療機関にも大きな影響を及ぼしています。国民1人が医療機関を利用する回数が増えるに伴い、医療機関の数も増え続けています。それに対し、医師が不足する状況が起きているのです。医師自体は毎年4000人ほど増加しているにもかかわらず、地域の医療現場では、医師不足や過重労働が大きな課題となっています。
 2016年に出されたOECD加盟国の人口1000人当たりの臨床医数に関するデータでは、日本は30カ国中27番目でした。また、都道府県別にみた人口10万人に対する医師の数をみると、全国平均233・6人に対し、長野県は平均を下回っています。これらの要因については、さまざまな議論、分析が成されていますが、医師の地域間のかたよりや、診療科の偏在、医療需要の増大による医療業務の増加、医師の高齢化なども、その要因のひとつとして挙げられています。それは看護師も同じで、現在、医療現場では人材が慢性的に不足しているのです。

医療現場を支える 人材の必要性

 このような状況の中、医療現場では、忙しい医師や看護師を適切にサポートし、より診療に集中できる環境を整えるための人材が求められています。できるだけ多くの患者さんが適切な治療を受けられるよう、さまざまなスタッフが医療現場を支えています。
 そのひとつが、「医療事務」です。医療事務といっても仕事の内容は多岐にわたり、患者さんの受付をはじめ、診療費のうち患者さんの自己負担となる料金の計算業務や、カルテに基づいてレセプトという診療報酬請求書を作成する業務など、さまざまな業務に対応します。総合病院では、患者さんの入退院の手続きや看護師の事務サポート、診療情報や検査記録などのデータ管理なども行います。いずれも医療現場がスムーズに動くために重要な役割を果たしています。

今後、さらに求められる 医師サポート

 また今後は、より医師をサポートし、医師が診療に集中できる環境づくりを担う「ドクターズクラーク」に注目が集まっています。
 「ドクターズクラーク(医師事務作業補助者)」は、これまで医師が行っていた診断書などの文書作成や処方箋の作成、検査予約、電子カルテの入力、診療に関するデータ整理などを、医師の指示のもと、医師に代わって行うことができます。これにより、医師は煩雑な事務作業にかかっていた時間を診療に使うことができるようになります。ドクターズクラークは、患者さんに対する医療の質の向上に貢献する専門職として、近年、その存在が医療現場で求められています。

ニチイは医療現場を
支える人材を育てます

  ニチイは、1971年に医療事務講座を開講し、これまでに75万人以上の修了生を輩出してきました。医事教育45年以上の歴史と実績は、全国の医療機関に高い評価と信頼をいただいています。
 学び方も「通学コース」「通信コース」と、自分に合った方法で学ぶことができ、資格試験合格から就職まで、細やかにサポートします。ニチイはこれからも、社会のニーズに応える人材を育てることで、医療現場に貢献していきます。

(2019年5月号掲載)

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