少しずつ春の気配が近づく頃になると、たむらの店先に「さくら餅」が並び始めます。
　発売当初は当時主流だった丸いさくら餅を販売していましたが、より洗練されたさくら餅をお届けしようと、30年ほど前に今の形になりました。さくらの花がアクセントになった二つ折りのさくら餅は、ひとめでたむらのさくら餅とわかる一品。毎年多くのお客様に、一足早く春をお届けしています。
　桜の花を思わせる薄紅の皮は、小麦粉、砂糖のほか、食べたときにもちっとした食感が感じられるよう、もち米の粉を配合しています。さくら餅の皮は薄紅の美しさが命なので、焦がしたら意味がありません。職人が一枚一枚丁寧に低い温度で手焼きすることで、優しいピンク色の皮に仕上がります。
　中に挟むのは、北海道産小豆を用いたたむら特製のつぶ餡。食べたときの塩味と甘味のバランスを考えながら、優しく二つ折りにします。さくらの葉は伊豆から取り寄せたものを使用。軽く塩抜きしたさくらの花をそっと添えて葉で包みます。
　口に入れた瞬間にふんわりと香る桜を楽しみながら、今年も巡りくる美しい春に、思いを馳せてみませんか。
※4月上旬まで販売予定