• そば打ちを通して
    木島平の食文化を守り
    地域の皆さんに
    喜んでもらえたら嬉しいです。

      • 長野県下高井農林高等学校

        生活科学クラブ そば班

      • 長野県下高井農林高等学校
      • 下高井郡木島平村大字穂高2975
      • https://www.nagano-c.ed.jp/nourinn/

農林高校だから学べる
そば打ちに興味をもって。

 長野県下高井農林高校には、「生活科学クラブそば班」があります。7年前、食文化コースの先輩が、木島平に昔から伝わるオヤマボクチをつなぎに使った「火口そば」の研究を行ったことが、クラブ起ち上げのきっかけになりました。木島平にある「そば打ち研究会」の皆さんからご指導いただき、また木島平村や飯山市のチャレンジ活動支援事業の支援も得て、道具を揃え「そば班」として活動を続けています。
 現在の班員は21名。全員がそば打ちをしたことがない素人ばかりです。入部の動機は、「おじいちゃんが家で打っているのを見て、自分もやってみたいと思った」「そばを打てたらかっこいいと思った」「そば打ちの経験は、この学校じゃなきゃできないと思った」などさまざま。もちろん、すぐに上手に打てるはずもなく、皆、最初に打った二八そばは「まるでうどんみたいな太さになっちゃって」と苦笑い。それでも打つたびに少しずつ上手くなっていくことに手ごたえを感じられるようになると、そばを打つことが楽しくなってきて。班員同士も、「水回しは、もっとこうしたほうが上手くいくんじゃないか」「のしは均一に延ばすことを目指そう」など、お互いに声を掛け合いながら、そば打ちを学んでいます。

全国高校生そば打ち大会を
目標に技を磨いて。

 昨年行われた「第1回日本そば文化学院全国高校生そば打ち大会」で、先輩方が団体戦優勝を飾りました。今年はコロナ禍の中、群馬県で開催される大会への出場も一時危ぶまれましたが、学校や出場者の家族の応援、理解を得て、なんとか参加することができました。
 「優勝旗を持ち帰ろう」を合言葉に、夏休みを返上して毎日そばを打つ日々。3人1チームの団体戦では、皆のコミュニケーションが重要になります。時間内にすべての作業を終わらせなければならないため、自分が担当する作業の時間をあらかじめ設定し、確実に次の工程に渡せるよう練習を重ねました。
 素早く、そして丁寧に、最後の片付けまでが審査の対象です。当日は、これまで培ってきたことを発揮しようと、3人で心をひとつに審査に臨みました。結果は準優勝でしたが、初めて出場した大会で、今までで一番良いそばが打てたと思います。この経験を糧としてさらに努力し、来年の大会では優勝できるよう、頑張りたいと思います。
 また、そば班では毎年、「のうりん食堂」を企画し、昨年は「道の駅ファームス木島平」で1日限定200食の食堂を開店しました。そば打ちから茹で、サービス、会計まですべて班員が担当。地域の皆さんに「美味しかったよ」と言ってもらうことができ、とても良い経験になりました。今年はコロナの影響もあり、生そばのテイクアウトに切り替えて販売しましたが、用意した240食はあっという間に完売し、追加注文を受けるほどでした。自分たちの打ったそばを「美味しい」といって食べてもらえるのは本当に嬉しいですし、やりがいを感じます。
 今、そば班で使用しているそば粉は、すべて木島平産のもの。しかも挽き立てを用意していただいているので、貴重なそば粉を無駄にしないよう、真心を込めてそばを打っています。また、そば班ではオヤマボクチを畑で育てており、来年には初めての収穫を迎えます。オヤマボクチをつなぎに使う「火口そば」は、二八そばをしっかりと打てるようになった3年生が挑戦できる難しいそばです。これからも練習を重ね、そば班の活動を通して、木島平に伝わる食文化である「火口そば」を守っていきたいと思います。

(2022年1月号掲載)