長野という地域で学ぶ
大学生の視点で
「どらやき」を考察していく。

― (田村 洋氏)今日は大学生の皆さんにお会いできると聞いて、楽しみにしてきました。よろしくお願いします。
全員 こちらこそ、よろしくお願いします。
― 長野県立大学の学生さんということですが、皆さん、同じ学部なんですか。
小宮山 私はグローバルマネジメント学部の企(起)業家コースで、一言で言えば、経営について学んでいます。
鈴木 私たちは健康発達学部です。
宮岡 健康発達学部には2コースあり、食健康学科で食や、食を通した健康について学んでいます。
― 皆さん、頑張っているんですね。長野県立大学ができて、市内にも若い人が増えたような気がします。今日のセッションでも、大学生ならではの視点を期待しています。
小宮山 「食」からの視点は2人にまかせるとして、これからのビジネスは、単に利益を出すというだけではなく、社会的な課題を解決するソーシャルビジネスという視点が重要だと考えられています。SDGsとして掲げられている課題への取り組みなどもそのひとつです。たむらさんは県産食材の使用を推進しているとお聞きしました。
― 突然アカデミックな単語がでてきましたね(笑)。SDGsを意識したわけではないのですが、たむらでは、数年前から使用する小麦をすべて長野県産小麦に切り替えています。質の安定という面では、北海道や海外の小麦と比べて収量が少ない長野県産は取扱いが非常に難しいのですが、長野で商いをさせていただいている私たちが、地域に恩返しできることがあるとすれば、地元の食材を使うことだと思ったからです。
鈴木 扱いが難しい素材を使って美味しいお菓子を作るって、すごいですね。
― それ以外の材料も、できる限り地元のものを使っています。「どらやき」も、県産小麦、飯山みゆき卵、オブセ牛乳や松代の蜂蜜を使用していますよ。
小宮山 まさに地産地消であり、SDGsですね。
宮岡 私の祖母はりんご畑をやっているのですが、味は変わらないのに見た目が悪く、廃棄しなければならないりんごが多いといいます。たむらさんでそういった果実を使うことは可能でしょうか。
― りんごや桃、ぶどうなど、多くの果実を地域の農家さんから仕入れているため、そのような相談をいただくこともあります。実は今、キズ等で生果として使えないワッサーを加工して、たむらで商品化する動きが始まっています。
小宮山 それはすごいですね。地域課題の解決に、すでに取り組まれているんですね。
宮岡 地産地消や廃棄ロスを提案しようと思ったけど、別の視点から考え直さなきゃ。
鈴木 これだけ素材にこだわっている「どらやき」を、もっと多くの人に知ってもらうには、どうしたらいいのかしら。
小宮山 まずは自分たちも含めた若い世代や子どもたちに、もう一度「どらやき」を認知してもらうことが必要なのかも。
― なるほど。今のたむらのマーケットゾーンは40代以上の女性なので、若い人や子どもが喜ぶという視点で和菓子作りはしていないんですが、今回の企画として挑戦してみるのも面白いかもしれません。ただ、やったことがないので、どんな「どらやき」が喜ばれるかわからないな。
鈴木 「どらやき」入門編みたいな?餡が苦手な子どもも多いと思うので、皮だけを重ねて蜂蜜をかけて楽しむとか。
宮岡 美味しそうだけど、それはもはや、パンケーキ(笑)。見せ方を変えて色の鮮やかなフルーツとかを挟んだほうが目は引くかも。
小宮山 販売が12月中旬から来年の1月中旬までということを考えれば、来年の干支のうさぎが可愛いんじゃないかな。
― 怒涛のようにアイデアが出てきたね。若い人や子どもの目に留まって、美味しい「どらやき」か。とにかく必死で絞り出してみます。 全員 楽しみにしています。






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(2022年12月号掲載)