目利きのプロであるバイヤーと
真剣に意見を交わし合い
新たなどらやきを生み出す。

― (田村 洋氏)ながの東急さんには、「たむら東急店」でいつもお世話になっております。今日はよろしくお願いします。
春原 こちらこそ、大変お世話になっております。毎週金曜日になると、「東急店」で社長さんが手焼きの限定どらやきを焼いていらっしゃって、職人の技を見させてもらっています。
― ありがとうございます。父も喜びます。私どもはできる限り県産の食材を使用し、美味しいお菓子を地域の皆さんにお届けしたいと、日々、菓子作りに取り組んでいます。どらやきも、長野県産小麦や飯山みゆき卵、オブセ牛乳、松代のはちみつを使用しています。
村松 まさに地産地消、地域貢献ですね。地域の特性を活かすことは、これからますます重要になってくると思います。
宮島 県内産に切り替えるのは、大変だったんじゃないですか?
― そうですね。小麦粉も、本当は収量の多い海外産のほうが品質は安定するんです。県内産は収量が少ないため、ばらつきが出やすいんですが、製粉屋さんも熱意のある方で、一緒に試行錯誤しながら納得できる味に到達することができました。
村松 単純に切り替えるだけじゃない、美味しさへの探究があるんですね。
― 小豆はまだ難しくて、北海道産や丹波の大納言で餡を炊いていますけどね。できるだけ地のものを使いたいというのは、たむらのポリシーでもありますし、今回、東急さんと考えるどらやきも、そこにこだわりたいと思っています。
春原 それは私たちも同じです。ながの東急も、地域に根差した百貨店として、長野の良さを全国に発信していきたいと思っています。今回は、たむらさんと一緒に、新たな「長野ならではのどらやき」を作れたらと考えています。
宮島 見た目は王道のどらやきでいいと思うんです。手軽に食べられるどやらきの良さを活かしながら、長野らしいストーリーのあるどらやきを作りたいですね。
村松 たむらさんには、県産りんごを使ったどらやき、「たわわ」がありますよね。
― そうですね。「たわわ」はすでに、たむらの定番菓子として位置づけられています。それに続く、新たなどらやきを考えたいですね。
春原 実は、ひとつ提案したいことがありまして。以前に戸隠のそば農家さんから「そばの花のはちみつ」の利用について相談を受けたんです。食べてみたら香りが独特で、自分はちょっとそのままではキツイなと感じて。戸隠のそばは全国的にも有名ですし、そば畑で採れるはちみつも長野ならではの食材だと思うんですが、なかなか使い道を思いつけなかったんですね。先ほど、たむらさんのどらやきには、はちみつが入っているとお聞きして、もしかしたらと思ったのですが。
― そばの花のはちみつですか。食べたことがないな。そんなにクセがあるんですか。
村松 私も食べてみましたが、かなり好き嫌いが分かれる品ですね。
宮島 色は褐色で、栄養価は高いといわれています。
― それは興味があるな。サンプルは手に入りますか?そのクセがどう転ぶかによって、成功するか大失敗になるか。とにかく一度、試してみたいと思います。そば粉は「蕎麦朧」という菓子用に、戸隠産の上質なそば粉を仕入れているので、組み合わせなども合わせて考えてみますね。
春原 ぜひお願いします。もしうまくいけば、長野ならではの一味違うどらやきになりますね。
村松 ワインはどうですか。赤ワインとそばの花のはちみつって合いそうな気がします。長野市産の地ワインもできましたし。
宮島 味噌やしょうゆといった発酵食品も、長野らしいですよね。あとは松代の長いもなど、果実ではなく野菜に着目しても面白いかもしれません。
― さすがバイヤー。次々に食材が出てきますね。よし、新たなどらやきを真剣に考えてみます。
全員 よろしくお願いします。






  • 本店
  • 住所/長野市伊勢宮1-18-14
  • TEL/026-228-9235
  • 営業時間/9:00~18:00
  • 定休日/月曜日
  • 駐車場/8台
  • ながの東急店
  • 住所/長野市南千歳1-1-1ながの東急百貨店 地下1F
  • TEL/026-226-8181(ながの東急代表)
  • 営業時間/10:00~19:00
  • 定休日/ながの東急百貨店に準ずる
  • 駐車場/ながの東急百貨店駐車場をご利用ください。
  • http://www.shunsaikatamura.com/


(2023年2月号掲載)