善光寺の西、立町の住宅が建ち並ぶ路地から少し奥まったところに佇む、平野珈琲。民家をリノベーションした店舗は、素朴でありながらおしゃれで落ち着いた雰囲気で、引き戸を開けて店内に入ると、コーヒーの良い香りに包まれます。2階には趣の違うテーブルや椅子がゆったりと並び、静かな時間が流れています。今回は、店主で焙煎士でもある平野仁さんに、蕎麦朧に合うコーヒーを選んでいただきました。

〈蕎麦朧とは〉

旬彩菓たむらを代表する和菓子である蕎麦朧は、戸隠・信濃町産の最上級蕎麦粉、県産小麦、和三盆、カルピスバター等を用い、一つひとつ手作業で丁寧に仕上げた、たむらオリジナルの和菓子です。

焙煎度の違うコーヒーで
テイスティング
 コーヒーとお菓子というのは、それだけで相性が良い組み合わせですが、蕎麦朧という唯一のお菓子に合うコーヒーを選ぶというのは、珈琲屋としても非常に面白く、楽しませてもらいました。蕎麦朧を初めて食べた時は、ほろほろとした独特な食感と、蕎麦の香りに驚きました。この美味しさに合うコーヒーを私なりに想像しながら、テイスティングを行いました。
 普段、店の営業時はハンドドリップで抽出しコーヒーを提供しているのですが、蕎麦朧との相性を検証するため、今回はフレンチプレスで抽出しました。選んだのは焙煎度の異なる3種類のブレンドコーヒーです。中煎りの「マイルドブレンド」、中深煎りの「季節のブレンド・春」、深煎りの「フレンチブレンド」。それぞれ豆の産地や配合も違う店舗オリジナルのコーヒーです。
 「マイルドブレンド」はフルーティーで酸味も程よく、明るく爽やかな印象のコーヒーで、まろやかな味わいが特徴です。「季節のブレンド・春」は、季節毎に内容が変わるコーヒーで、2月の立春から販売しています。酸味や苦味、甘さのバランスが良く、ミルクチョコのような味わいも感じられます。「フレンチブレンド」はビターでスパイシー。酸味を抑え、どっしりとしたコクと甘さを味わうことができます。

蕎麦朧とのペアリングで
ベストなコーヒーは
  それぞれに違う味わいを楽しめる3種のコーヒーですが、蕎麦朧と合わせることで、いつもとは一味違う印象を持ちました。口の中に残る蕎麦朧とコーヒーが混ざり合った時の味の広がりや余韻の点でみてみると、もっとも相性が良かったのが「季節のブレンド・春」です。「マイルドブレンド」や「フレンチブレンド」の相性も悪くはありませんが、それぞれの持ち味が蕎麦朧にやや勝る印象もありました。「季節のブレンド・春」は蕎麦朧との一体感や、香りの広がりがきれいで、余韻も長く楽しむことができました。
 このブレンドは、酸味やコクのバランスに優れるエルサルバドル産の豆をメインに、華やかな香りが特徴のエチオピア産の豆2種を合わせており、穏やかで陽気な春をイメージして作りました。蕎麦朧に含まれるバターやアーモンドの風味とのバランスも絶妙で、お互いをより引き立てる相性の良さを感じることができました。




今回の旬彩菓たむらさんとのコラボは、私としてもとても新鮮で楽しい時間となりました。相性の良いこの組み合わせを皆さまにも楽しんでいただけたらと思います。コーヒーで過ごす一時をぜひお楽しみいただけましたら幸いです。



  • 本店
  • 住所/長野市伊勢宮1-18-14
  • TEL/026-228-9235
  • 営業時間/9:00~18:00
  • 定休日/月曜日
  • 駐車場/8台
  • ながの東急店
  • 住所/長野市南千歳1-1-1ながの東急百貨店 地下1F
  • TEL/026-226-8181(ながの東急代表)
  • 営業時間/10:00~19:00
  • 定休日/ながの東急百貨店に準ずる
  • 駐車場/ながの東急百貨店駐車場をご利用ください。
  • http://www.shunsaikatamura.com/


(2023年4月号掲載)