一人ひとりの思いが
いつしか大きなうねりとなって
須坂のまちに
新しい風を起こしています。

山岸 和幸
Kazuyuki Yamagishi
須坂市のある職員の、「須坂には美味しい日本酒やワインはあるから、ここにビールが加われば最高じゃないか」という一言から始まった「須坂の果実と水を活かしたフルーツエール」プロジェクト。初めて話を聞いたときはびっくりしましたが、確かにこれなら、果樹栽培の振興ができ、須坂市の活性化にも繋がる。さらに全国に向けて須坂市をPRする新しいブランドを立ち上げられるのではないか、と期待に胸が膨らみました。
試飲と醸造を繰り返し、「これならいける」という「味」が決まったのは、平成29年8月のことでした。ビールならではのすっきりとした味わいと喉越しに、ふわりと感じるりんごの甘みと香り。どちらかに偏るのではなく、絶妙なバランスでフルーツエールらしい味わいに仕上がったと思います。アルコールが3%なので、お酒やビールが苦手な方にもお勧めです。須坂市内で採れたりんごと名水を使って醸されたフルーツエールは、まさに「須坂の味」そのもの。須坂ではその昔、ホップを作っていたこともあったそうなので、このプロジェクトが発展していけば、ホップや麦も須坂市内で生産し、完全須坂産のフルーツエールを造ることも夢ではないかもしれません。(2018年7月号掲載)