松代という地域全体で
真田の歴史を守り
伝えていくことが
自分の使命だと思っています。

降幡 浩樹
Hiroki Furihata
歴史に興味を持ったのは、小学生の頃でした。岡谷市出身なのですが、当時の担任が歴史や発掘の好きな先生で、自分たちをよく発掘現場に連れていってくれたんです。勉強の一環だったと思いますが、土器など拾えると意味もわからずただ嬉しくて、そこからどんどん歴史に傾注していきました。ただ、自分は教科書に載っているナショナルヒストリーよりも、教科書に載っていないローカルヒストリーの方に興味があったんです。誰かが伝えないと途絶えてしまう「歴史」を守りたい。埋もれてしまいがちな「歴史」を伝える人になりたいと、学芸員を志しました。
松代は、元和8年(1622)に真田信之が上田から移封して初代藩主となって以降、10代にわたって真田家が治めていました。上田から移る際に家臣をはじめ商人なども一緒に移り住んで城下町として発展した松代は、廃藩後も現在に至るまで、その子孫たちがいまだ多く暮らしています。時代の変遷の中、城下町の形を大きく変えずに暮らしと密着したかたちで、今もかつての藩主と親密に繋がりがあるというのは珍しく、松代という土地ならではだと思います。(2019年4月号掲載)