この地に暮らす人とともに
自然の保護と利用を
良い方向へ循環させることで
自然との共存を目指していく。

宮下 央章
Nakaaki Miyashita
緑豊かな福井で生まれ育ったからなのか、大学で生物資源を学んだ後、環境省へ入省したのは、私にとっては必然でした。大阪の地方事務所で基礎を学び、自然保護官として現場に出たのは5年前です。初めての赴任先は、石川県の白山国立公園でした。ここは白山を中心とした山岳中心の国立公園で、登山道や避難小屋の補修・管理のほか、地元の方たちと協力して外来植物の撤去などに取り組みました。初めてのことばかりでしたが、非常に良い経験を積むことができたと思っています。
現在、志賀高原では地域合意のもと、環境省の補助金を活用した廃屋の撤去、多言語看板の整備等が進められています。また、環境省では蓮池地区をビューポイントと位置づけ、地域の合意・協力のもと廃ホテル跡地の園地整備を行い、小さなイベント等が開ける芝生の広場や、池を周回できる歩道を整備しました。山の駅と一体となった利用が見込まれ、志賀高原の玄関口としてふさわしい場所に生まれ変わったと思います。最近は小さなお子さんを連れたご家族や、写真愛好家の方々が多く訪れています。志賀高原はアクセスもよく、車からニッコウキスゲなどの高山植物を楽しむこともできるので、もっと多くの人に志賀高原を楽しんでもらえればと思っています。(2020年12月号掲載)