手仕事ならではの良さを
善光寺のお膝元から
地域の皆さんに
伝えていきたいと思います。

店主 浦野 淳一
Junichi Urano
善光寺のお膝元、岩石町の染物屋の息子として生まれ育ちました。実は大学進学を機に長野を離れ、ずっと東京で暮らしていたんです。でも親が年を取って家業をどうするか考え始めた時に、このまま継がずにいたら、たぶん後悔するなと。親父の仕事道具がどんな風に使われていたのかも知らずに、いつかそれを処分するんだろうと思うと、なんだか寂しく、申し訳ない気持ちでいっぱいになって、家を継ぐ覚悟を決めました。
本染めと顔料染めは、それぞれに製法や仕上がりが異なり、小玉屋では、物によって染め方を分けています。お店の暖簾などは雨風を受けることもあるため、色あせしにくく強い顔料染めで仕上げます。逆に手ぬぐいや法被などは、布の風合いが活きる本染めで染めています。どちらにも、その良さや特徴があり、染めに適した気温や湿度も全く違うんです。(2022年11月号掲載)