長野市市街地から戸隠方面を目指し、七曲りを抜けてバードラインへ。美しい木々のアーチを楽しみながら、戸隠神社中社を核とする戸隠の中心街を抜け、大きな鳥居を右手にさらに進んでいくと、左手に現れるのが「そばの実」です。雄大な戸隠山を背景に大きな屋根が美しい古民家風の店舗を構える「そばの実」は、戸隠そばの名店。今回は2代目として、日々そば打ちに邁進する徳武祐介さんにお話を伺いました。
旬彩菓たむらを代表する菓子である蕎麦朧は、長野県産の上質な小麦粉、戸隠産の最上級蕎麦粉、和三盆、カルピスバター等を用い、一つひとつ手作業で丁寧に仕上げた、たむらオリジナルの和菓子です。
生まれも育ちも戸隠。もともとはお土産屋などを手広くやっていたのですが、父が「そば屋をやる」と、昭和63年3月に「そばの実」をオープン。そんな父の背中を見て育ち、いつの間にかこの道に進んでいました。大阪で修業し、戸隠に戻って以来23年間、戸隠でそばを打ち続けています。
そばは気温や湿度など、四季折々、その日の状況によって少しずつ変化していきます。「一日として同じそばはない」からこそ、常にそばと会話し、手の感触でそばの声を聞きながら、丁寧にそばを打つことを心掛けています。お客様から、「おそばが好きになった」「こんなに美味しいそばを初めて食べた」などのお声をいただくと、日々の努力が報われたような気がして、また頑張ろうと思えます。お客様に五感で「戸隠」を感じていただけるよう、店内には季節の野花を飾り、器などもできるだけ地元の作家さんの作品を用いています。「そばの実」で過ごすひとときを、楽しんでいただければ嬉しいですね。
(2024年3月号掲載)