日本の総人口に占める高齢者の割合は既に25%を超えています。長野県は全国と比べてさらに高く30%。そんな中、団塊の世代が75歳以上になる2025年を目標に始まった国の施策が「地域包括ケアシステム」です。これは簡単に言えば、医療と介護と地域が全体で高齢者を支えましょうという取り組みです。「地域包括ケア」は地域の特性に応じて作り上げていくことが重要で、現在全国でさまざまな取り組みが始まっています。
日本シニア検定は、介護ではなく生活支援の「介助」のために必要な知識を習得できる資格として誕生しました。これまでは名古屋、大阪、東京でしか学ぶことができず、私も名古屋まで通って資格を取りました。その時に、長野でこの資格を取れるようにしたい、介助という考えを長野に広めていきたいと思い、日本シニア検定協会から長野県の認定校として認可を受け、平成27年5月にエルズグランドケアアカデミーを起業しました。
現在、日本シニア検定協会は経済産業省の商業・サービス競争力強化連携支援事業に採択されており、当社では今年の夏から協会委託による「長野モデル」の検証を行うことになっています。これは長野のモデル地区で日本シニア検定の有資格者による有償介助を実施し、その結果を分析することで長野での事業化を検証するものです。
検定資格を取るためには、テキスト代、試験代のほかに4つの対策講座を受講していただくのですが、今回の「長野モデル」に参加していただける方は、講座受講料免除にて資格を取っていただき、調査に参加してほしいと考えています。対策講座は来校して受講する以外に、Webでのライブ講座や動画配信にも対応していますので、ご自身のライフスタイルを崩すことなく受講していただけます。
また、昨年より入門編を無料で受けていただけるようになりました。まずは日本シニア検定を多くの方に知っていただきたいと思っています。
長野県は、平均寿命は男女ともに全国1位ですが、健康寿命は男性が6位、女性は17位です。健康寿命を延ばすためには、医療や介護に任せるだけではなく、さまざまな企業・団体の力が必要です。その一翼を担うべく、これからも介助の地域浸透に力を尽くしていきたいと思っています。