• 自然豊かな長野の地に
    新たな時代の大学のモデルをつくりたい。
    情熱のすべてをかけて
    「長野県立大学」開学に全力を尽くします。

      • 長野県立大学

        学長(予定者)金田一 真澄

        Masumi Kindaichi

      • 長野県立大学
      • 長野市三輪8-49-7
      • 026-217-2241
      • http://www.u-nagano.ac.jp/

自分が受けた教えを
今度は自分が学生たちへと繋いで。

 生まれも育ちも東京で、小さい頃は、欲のないおとなしい子どもでした。国語よりも数学が得意だったので早稲田大学の理工学部に進学したのですが、企業人として社会で競うよりも、研究そのものが評価される学者のほうが自分には向いているのではないかと思い悩み、結局修士課程を修了後、ロシア語研究に転じて今に至ります。
 我ながら思い切ったことをしたなと思いますが、それができたのは良い環境、良い先生に恵まれたから。ときに励まし、ときには叱ってくれた恩師がいたからこそ、自ら学ぶことへの「欲」が生まれたのだと思います。
 私は教え子たちによく「自分自身の人生の主役になりなさい」と言っています。これは、どこか流されていた若かりし頃の自分自身への反省でもあり、思い惑いながらも学びを通して自分の生きる道を見出すことができた経験者からの教訓でもあります。
 今回、「長野県立大学」開学にあたって学長をお引き受けしたのも、そんな「思い」があったからです。自分が恩師から受けた教えを、今度は自分が学生へ繋ぐときが来たのだと思います。今から来春入学してくる学生と会えるのを楽しみにしています。まずは一人ひとり、学生全員と話をしようと思っています。

新たな時代のリーダーを育て
独自のグローバル教育で視野を広げる。

 来春開学する「長野県立大学」は、1年次は全寮制で、すべて2人部屋となっています。これは学生たちの自立を促すことで、自分自身の生活をコントロールし、共同生活の中でコミュニケーションスキルを高めることを目的としています。これからの時代に求められるリーダーは、先頭に立って引っ張るだけではなく、人の話を聞いて理解し、コミュニティをまとめられる力が必要となります。メディアが発達し、あらゆる情報を手にすることができる今の時代だからこそ、大学時代にさまざまな体験を通して社会性を身につけることがとても大切なのです。
 寮では留学生との異文化交流や教授たちとのディスカッションなども予定しています。さまざまな国、さまざまな年代の人とふれあい、意見を交わすことで「人間力」を高めます。
 もうひとつ、「長野県立大学」では、2年次に全員が海外での短期研修プログラムに参加します。既に海外の7つの大学と提携し、「長野県立大学」独自のプログラムを創りあげています。ではなぜ、国際系や外国語系の学部がない「長野県立大学」で、海外研修が必要なのでしょうか。
  例えば健康発達学部のこども学科では、世界一進んでいるといわれているフィンランドの幼児教育の現場で実習を体験します。グローバルマネジメント学部では、提携大学の周辺地域の産業振興の取り組みを視察し、日本での状況と比較することで、自分たちが取り組むべきマネジメントの手法を学びます。
 つまり、自分たちが学ぶ専門分野への視野を広げること、グローバルな視点で考える力を養うことこそが、海外研修の最大の目的なのです。このようなプログラムは、新しい時代の大学のモデルになると考えています。
 来春入学する学生たちは、自分たちで校風を創り上げていく一期生です。夢と希望を持って、まっさらな4年間のスタートを切ってほしいと願っています。

(2017年11月号掲載)