• やってみよう、と決めたら
    すぐに動いてみる。
    その繰り返しの人生で
    気がついたら
    世界大会を目指していました。

      • 公益社団法人 スペシャルオリンピックス日本・長野

        サッカーチーム主任コーチ 春原 紀子

        Noriko Sunohara

      • 公益社団法人 スペシャルオリンピックス日本・長野
      • 長野市鶴賀上千歳町1120-17 Alegria 8F
      • 026-225-1550
      • http://www.son-nagano.com/

「やってみよう」から
すべてが始まる。

 東京生まれの東京育ち。スキーのインストラクターの資格を取ろうと黒姫スキー場のスタッフとして働いている時に主人と出会って、そのまま農家の嫁になりました。農業への抵抗はまったくなく、今ではぶどう畑はすべて私が管理しています。昔から「何かをやってみよう」と決めたら、あまり迷わないんですよね。大変そうとか、失敗したら、とか思わない。それまで歩んできた人生と全く違う道だとしても、すっと切り替えて次へ進むタイプなんです。
 スペシャルオリンピックスのスポーツプログラムにコーチとして参加するようになったのも、そのひとつです。知的障がいのある次男が通っていた学校の先生から、「スペシャルオリンピックス日本・長野っていう団体がやっているスポーツプログラムがあるんだけど、楽しいから見に行ってみないか」と誘われたのが最初で、「じゃあ、行ってみるか」とスキーのプログラムを見に行ったんですね。そこで、「これならインストラクターの資格もあるし、できるかな」と、そのままスキーとスノーボードのコーチとして参加するようになりました。
 サッカーは、もともと自分がサッカー好きだったこともあって、子どものママさんたちとフットサルのチームを作って活動していたんです。指導者資格と審判の資格も取って、女性のプレリーグに出たりしていました。そこから、スペシャルオリンピックス日本・長野でもサッカーチームを作れるんじゃないかと思い立ち、2016年の7月にサッカープログラムをスタートさせました。

目指すのは、世界大会。
自分たちを信じて走り続ける。

 チームを立ち上げることが決まってすぐに、「スペシャルオリンピックス日本 第1回全国ユニファイド®︎サッカー大会」の開催が決定しました。「ユニファイド」というのは、知的障がいのある人とない人でチームを作るスポーツプログラムで、障がいのレベルによってクラス分けされた競技大会が、世界各国で開催されています。
 そこで、まずはその大会での優勝を目指して練習を開始しました。最初は全く経験のないアスリートもいましたが、練習を重ねるごとにどんどんモチベーションが高まり、なんとチーム発足5ヶ月で、金メダルを取ることができたんです(7人制・Div.2)。
 さらに2017年にスウェーデンで開催された「ゴシアカップ」に日本から選抜され、知的障がいクラスで銀メダルを獲得しました。今年は、2019年にUAEで開催される「スペシャルオリンピックス世界大会」への出場を目指し、9月に開催される日本代表選手選考会での優勝を目指して練習しています。
 アスリートたちは、1試合ごと、1大会ごとにどんどんスキルアップしています。主任コーチとしてのプレッシャーを感じることもありますが、自分たちの力を信じて走り続けたいと思っています。
 スペシャルオリンピックス日本・長野は、今年20周年を迎えます。7月21日(土)には、ホワイトリングで記念式典とスポーツプログラム体験会が行われる予定です。サッカー以外にも、バスケットボールや卓球、フライングディスクなど、さまざまなスポーツプログラムを用意しています。アスリート希望の方はもちろん、パートナーやボランティアに興味のある方もぜひ来てみてください。障がいがある、なしではなく、みんなが自分のベストを尽くせるのがスポーツです。一人でも多くの方に、スペシャルオリンピックスの存在を知っていただきたいと思っています。

(2018年5月号掲載)