• 心を込めて手間をかけ
    木で完熟させた
    本当においしいブルーベリーを
    一度味わってほしい。

      • KAWASUNブルーベリー園

        川原田 孝一

        Kouichi Kawaharada


      • KAWASUNブルーベリー園
      • 上水内郡信濃町大字平岡1300-1
      • 026-251-7077
      • http://kawasunbbf.com/

信濃町の自然に魅せられて
ブルーベリー農家に。

 信濃町でブルーベリーの栽培を始めたのは、今から20年ほど前のことです。それまでは一級建築士として建設業界で生きていたのですが、53歳の時に一念発起してブルーベリー農家になりました。
 ブルーベリーを作ろうと思ったのは、たまたま新聞で読んだことがあったから。それでブルーベリーの可能性をいろいろと調べていくうちに、信濃町が全国で初めてブルーベリーの大規模栽培に取り組んだ町だということを知ったんです。信濃町にはそれまでもよく仕事で訪れていて、雄大な山々や緑豊かな町の景色に癒されていたので、「これはもう信濃町でブルーベリーを作るしかない」と決意しました。
 ブルーベリー栽培の先駆者で、日本で最も早くハイブッシュブルーベリーの栽培を始めた伊藤さんという方に出会えたのも大きかったですね。農業の経験がまったくない私に、ブルーベリーのあらゆることを教えてくれ、就農の後押しをしてくれました。
 土地のことでは役場の方にも大変お世話になりました。就農に関する情報も教えていただき、最終的には長野県の新規就農里親制度を活用して、伊藤さんを師と仰ぎ、一から農業を学びました。そうして多くの人に支えられながら、1haの敷地に1000本を有するブルーベリー園を開くことができました。

木で完熟したおいしい
ブルーベリーを食べてほしい。

 信濃町はブルーベリーの栽培に適した土地で、中でもノーザンハイブッシュといってアメリカの北東部に生息しているブルーベリーの品種と非常に相性がいいんです。近年は改良が進み、より大粒の実が収穫できる品種も多くなってきました。現在うちの農園では、約20品種を栽培しています。
 春の雪解けとともに、ブルーベリーの剪定は始まります。雪の多い信濃町では冬の間は農作業ができないため、本来冬に行う剪定も、春になってから花が咲くまでの約1ヶ月が勝負。花が咲いたら摘花、草刈、と休む暇はありません。うちは農薬を使っていませんし、畑のベースとなるウッドチップには雪解けの水がたっぷりと含まれているので、草もよく伸びるんですよ。草刈だけでも年4回くらい。木の根元は手で採らないといけないので大変です。それでも可愛らしい小さな鈴のような花が房になって咲く様子を見ると、心が癒されますね。この花の一つひとつが、そのままブルーベリーとして実を結びます。
 ブルーベリーは、木で完熟させると皮が柔らかく、酸味と甘みのバランスが良い、おいしいブルーベリーになります。ブルーベリーは追熟させることができないので、完熟したものを味わうなら木から直接採って食べるのが一番です。うちが直売と直接発送しかしていないのは、完熟した実だけを収穫するから。本当に美味しいブルーベリーを食べてほしいんです。
 一般の方のブルーベリー狩りも受け入れています。期間は7月初旬~8月中旬頃まで。期間中は悪天候や台風等がない限り、基本的に無休です。営業時間は9時~17時で、入園料は大人1000円、3歳から小学校6年生までの子どもが500円、3歳未満は無料となります。時間制限なしの食べ放題なので、好きなだけ採って、完熟のブルーベリーをお腹いっぱい味わってほしいですね。食べきれなかった分は、100gあたり200円でお土産としてお持ち帰りいただけます。
 この夏はぜひ、信濃町のブルーベリーのおいしさを体感しに来てください。

(2019年8月号掲載)