美味しいぶどうの
その本物の味を
多くの人に
知ってもらいたい。

岡木 宏之
Hiroyuki Okaki
曾祖父の代から須坂で農業を営む家で生まれ育った自分にとって、農業はとても身近なものでした。小さい頃は父や母が農作業をしている傍らで遊ぶことも多く、作業を手伝うことも当たり前でしたね。ただ、成長するにしたがって友だちの家と自分の家の違いが分かるようになってきて。土日も休みがなく旅行や遊びに連れていってもらえないこともあって、だんだんと農業が嫌いになってしまったんです。そんな状態ですから家を継ぐ気もまったくなく、大学に進学した後は、長野には戻りましたが金融機関に就職して会社員になりました。
大正時代から農業を始めた岡木農園ですが、完全にぶどうにシフトしたのは父の代からです。人気の高いシャインマスカットは、試験農園として須坂の中でも早くから栽培していました。今、岡木農園のぶどうが美味しいのは、すべて父の努力の結晶です。これからその技術を学び、さらに美味しいぶどうを極めたいと思っています。(2019年12月号掲載)