• 毎日の暮らしの中に
    花を届けたい。
    誰もが不安な日々に
    少しでも安らぎを。

      • ヌボー生花店
        代表取締役社長

        山﨑 年起

        Toshiki Yamazaki


      • 株式会社ヌボー生花店
      • 長野市北尾張部715-7
      • 0120-878-718
      • https://nubow.co.jp/

試行錯誤を繰り返しながら
目指すべき花屋を模索。

 ヌボー生花店は1974(昭和49)年に父と母が創業した生花店です。当初は花屋を継ぐ意思はなく東京でシステムエンジニアをしていたのですが、様々な要因が重なり、27歳の時に思い切って花業界に飛び込みました。
 といっても花のことは全くわからず、最初の数年間はひたすら話を聞くことに徹しましたね。社員の話、お客様の話、生産者の話。ヌボーを取り巻くあらゆる立場の人たちと話すことで、花業界の現状や課題、ヌボーが目指すべき方向が見えてきたように思います。業界への先入観や知識がなかったからこそ、客観的に分析することができたのかもしれません。
 その後は、ひたすら挑戦の日々。良いと思ったことはまずやってみて、ダメだったら何がダメだったのかを考えて次のステップに繋げる。時代の変化やニーズに対応しながら、花屋としての存在意義を、今も模索し続けています。
 商売のスタンスとして常に心掛けているのは、「自分たちだけが繁盛すればいいわけではない」ということ。生産者さんたちの花にかける思いと、お花を買ってくださるお客様の要望。それを繋ぐのが花屋なのだと思います。作る人も、買う人も、そして売る私たちも、皆が嬉しいというのがヌボーの在るべき姿だと思っています。

ヌボーのこだわりを
新しい花のある暮らしに。

 近年、花は生産者さんたちの努力で品質が向上し、花持ちがとても良くなっています。ただ、「切り花はすぐ枯れてしまう」と思われている方もまだまだ多いため、ヌボーでは切り花をお求めの方全員に鮮度保持剤をお渡しするとともに、万が一5日以内にお花が枯れてしまった場合は無償で交換させていただく「鮮度保証」を行っています。
 またヌボーは現在、長野市内に5店舗展開していますが、それぞれの店によって入荷する花が違っているんです。これは各店のスタッフがお客様の声に耳を傾けた結果であり、それが各店の個性につながっています。バラだけでも新しい品種は次々と出てきているので、私たちも常にアンテナを高くして、お客様に新しい提案ができるよう努めていきたいと思っています。
 さらに店舗では、花の産地や入荷日を必ず明記しています。これは花の情報を開示することで、お客様に安心して良いお花を選んでほしいという思いから。花の競り市は毎週月・水・金曜日に開かれているのですが、そこから水揚げをして店頭に並ぶのは、翌日の午前中になります。例えば週末にお花を買うのであれば、日曜日よりも土曜日の午前中の方が鮮度の良いお花が揃い、また種類も豊富ですよ。
 今回のコロナ禍によって、花業界は大きな打撃を受けました。うちも売上は下がっていますが、各店の状況を分析すると来店者数はそれほど変わっていないんです。つまりギフトの需要がないかわりに、自宅に花を飾る方が増えているということです。ステイホームで日々の暮らしにやすらぎを求める方々に、花の持つ癒しの力が必要とされているのだと思います。
 そこでヌボーでは新たに「花の定期便」をスタートさせました。これは毎週土曜日に、1回1000円(税別)でお花をご自宅にお届けするというもの。その時々、一番美しい旬のお花を1種類セレクトし、5~10本お届けします。不安な日々が続く今だからこそ、暮らしに花を添えることで幸せな毎日を過ごしていただけたら嬉しいですね。これからのお花は、贈答よりも日常へ。そんなシーンをヌボーがお手伝いしていけたらと思っています。

(2020年7月号掲載)