• 新しい生活様式を取り入れた
    新しい観光の在り方を
    常に模索し続けながら
    長野の魅力を発信していきたい。

      • 公益財団法人ながの観光コンベンションビューロー
        観光部 部長

        島津 仁

        Hitoshi Shimazu


      • 公益財団法人ながの観光コンベンションビューロー
      • 長野市新田町1485-1長野市もんぜんぷら座4階
      • 026-223-6050
      • https://www.nagano-cvb.or.jp/

今までの経験値が通用しない
新たな時代の到来。

 旅行会社で培った経験をもとに、ながの観光コンベンションビューローに席を置いて11年。善光寺や戸隠、松代といった全国に誇れる観光資源をベースに、「食」や「土産」といった誘客に結び付く素材の掘り起こしや新たな観光ルートの提案、イベントの開催など、あらゆる手法を用いて長野市のプロモーションを推進してきました。
 本来であれば、来年4月には七年に一度の善光寺御開帳が開催され、長野市は日本中、世界中から訪れる観光客で賑わうはずでした。しかし新型コロナウイルス感染症による感染拡大に収束が見えない状況の中、御開帳は2022年に開催延期を決定。4月に発令された緊急事態宣言によって、全国の飲食店や小売、サービス業、宿泊施設等が休業を余儀なくされ、大小さまざまなイベントもすべて中止となったのは記憶に新しいところです。
 「観光」などありえない状況が長く続く中、5月14日にようやく長野県の緊急事態宣言が解除。25日におよそ1ヵ月半ぶりに、全国の緊急事態宣言が解除されました。感染者数の減少に伴って6月に入ってから少しずつ経済活動も動き出し、「観光」を生業としてきた我々ができることは何か、模索する日々が始まりました。

新しい生活様式を取り入れた
新たな観光を模索。

 状況が刻々と変化していく中で見えてきたのは、「もとの社会に戻る」ということではなく、「新たな社会」に対応した観光の在り方を考えていかなければならないということでした。密閉、密集、密接の3密を回避し、マスク着用や検温、手洗い・手指消毒などの新しい生活様式を取り入れた上で、長野市の新たな観光を企画、発信していかなければならない。迎え入れる側として、かじ取りが非常に難しい状況が続いています。
 それでもとにかく今できることを、という思いから、長野市では10月から来年3月まで、継続的にイベントを開催する「ながのエールフェスタ2020」を計画しています。新たに整備された長野市街地の中核にある公園セントラルスクゥエアを会場に、「アウトドアフェスティバル」や「秋の味覚フードフェス」、「新そばと食の市」、「音ト食ノ癒し時間」などのイベントを予定。さらに「まち歩きデジタルスタンプラリー」として、スマートフォンを活用したデジタルスタンプラリーの開催も決定しています。これは、飲食店や観光地、イベント等を楽しんでいただき、スタンプの点数によって賞品やクーポンがもらえるという企画です。いずれもコロナ禍における長野市民の皆さまや観光客の皆さまを元気にする「応援」がコンセプトとなっています。会場内には検温機器、消毒液を設置し、運営スタッフはフェイスガード及びマスクを着用して対応。ご来場いただく皆さまにも、検温、マスク着用、手指消毒にご協力いただき、主催者側も参加される皆さまも、どちらも安心、安全なイベントとなるよう配慮しています。(感染状況によって中止となる場合があります。詳細はホームページでご確認ください)。
 また、全国に向けた情報発信として、新たにYouTubeやSNSを活用した動画コンテンツを制作し、特に若い世代に向けて長野市の魅力を発信。参加型イベント等を同時企画し、継続的に誘客を図りたいと考えています。
 今年、日本が、世界がこのような状況に陥ることなど誰も予想できませんでした。それでも私たちは、今、自分たちにできることは何かを常に考え、長野県や長野市とともに新たな観光情報を企画、発信し続けることで、安心して来訪いただける長野市の観光を確立していきたいと考えています。
(取材日/8月7日)

(2020年10月号掲載)