1期生の学生たちと出会ってから、早4年目。学生たちの持つ潜在能力の高さや感性の輝きには、日々圧倒されています。学生は、大人たちが「しょうがない」と諦めてしまうことを、「どうにかできないか」と思考します。その力こそが、社会を変える「種」です。社会の仕組みを変えることで、もっと良くなることがあると気づくこと。その課題に対し、行動を起こす熱量を持つこと。それが、グローバル視点に繋がり、「ソーシャル・イノベーション」に繋がります。
長野県立大学には、学生起業支援のための「長野県立大発ベンチャー支援制度」があります。これは起業を考える学生たちをサポートする制度で、既に起業した学生もいます。スペシャルティコーヒーの魅力を発信するコーヒーショップを開いた学生もいれば、地域の方から洋服の寄付を受けて古着屋を始めた学生もいます。彼らが一歩を踏み出せたのは、大学のバックアップはもちろんですが、地域の方たちが学生を、志を持った一人の起業人として迎え入れてくれたことが大きかったと思います。やる気のある人を応援する、懐深い優しさを持った人たちに支えられ、彼らは今、頑張っています。
昭和、平成、令和と、私は時代の移り変わりを見てきました。だからこそ、「時代は良い方に劇的に変わろうとしている」と明言できます。未来は私たちの力で変えることができるんです。動くのは私たち一人ひとりであり、未来を生きる若者たちです。毎日の暮らしの中でちょっとだけ視点を変え、ほんの少し動いてみる。例えばフェアトレードマーク商品を買うだけでも、世界は確実に動きます。
CSIの活動も、公開講座や起業塾、高校への講演、そして地域での産学官連携など、その活動はどんどん広がってきています。4月には新しい学生たちも入学してきました。大学生活を通して学生たちの中に生まれる「種」が、どんな花を咲かせるのか楽しみです。