• 「物流」という視点から
    地域の課題を捉え
    膨大なデータ分析を通して
    より良い社会を目指していく。




      • トランコム株式会社 事業戦略本部 DX推進グループ

        宮脇 泰祐

        Taisuke Miyawaki

緑豊かな白馬村から
大都会、東京へ。

 大自然に抱かれた長野県白馬村で生まれ育ち、大学進学を機に故郷を出て、そのまま20年以上東京で過ごしてきました。大学卒業後は宝石販売関連の企業に入社したのですが、女性相手の営業がどうにも向いていなくて。どうしたものかと悩んでいた時に、大学時代の友人から「うちの会社で求人を出しているぞ」と教えられ、思い切ってトランコムに転職したんです。
 入社後は東京情報センターに配属され、物流情報サービスグループの一員として、物流のマッチングを行ってきました。トランコムの「輸送マッチングサービス」とは、荷物を運んでほしい荷主さんと、荷物を運びたい運送会社さんをマッチングさせることを指します。全国48カ所に点在する情報センターが、それぞれの地域の荷主さんや運送会社さんのアジャスター(調整役)となり、効率よく物流を動かせるよう手配をしていきます。パソコンに蓄積されたデータをもとに、それぞれの要望や状況を判断しながら、自分を介して成約が整った時はやりがいを感じましたね。

長野でデータを分析し
全国の拠点に情報を発信。

 トランコムは名古屋市に本社を置く、物流という社会インフラを担う企業です。昭和・平成・令和と、変化し続ける社会構造の中で、新しい「運び方」の提案や、「仕組み」の創造を追求し続けてきました。 
 例えば、長野から東京へ荷物を運んだとして、帰りのトラックは空の状態です。そこに別の荷主さんの荷物を積み込んで長野に戻れば、より効率よく荷物を運べることになります。他の荷主さんの荷物も併せて積み込めれば、さらによし。荷主さんはコストを抑えて荷物を運ぶことができ、運送会社さんも稼働率が上がります。空のトラックで戻っても人件費は掛かり、ガソリンは減り、CO2は排出されます。効率よく荷物を運べるということは、SDGsの観点から見ても、非常に重要なんです。トランコムでは現在、1日あたり6000件以上のマッチングを行い、物流の効率化に取り組んでいます。
 さらに全国で展開される膨大な物流データを分析し、マッチングの向上につなげるための新たな組織として「TRANCOM Logistics Data LAB」を立ち上げ、私もそのメンバーに加わることになりました。取り扱い案件の増加に伴う事務業務の統合も合わせ、事業所をどこに開設するかを検討。全国のさまざまな行政を回りましたが、長野市さんが事業の立ち上げや助成面で非常に手厚かったため、長野市に開設することに決めました。
 現在は、南石堂町に事務業務に対応する事業所を開設し、50名以上の現地雇用を生み出しています。また、物流データ分析を専門に行うラボを切り離し、縁あってお声がけをいただいたR︲DEPOTにオフィスを構えることになりました。NTTのビルをリノベーションしたR︲DEPOTは、古材ショップやカフェなどと地域の企業が混在し、普通の賃貸と違って交流できるところが面白いですね。ラフな関係で知り合った企業さんとビジネスでもお付き合いが始まるなど、トランコムが長野という地域に根差すベースが作れるのではないかと期待しています。思いがけず故郷である長野県に戻りましたので、これからも自分らしく頑張りたいと思います。。

(2022年11月号掲載)