「ながの情報」を発刊した父、清水栄一は、文政11年に桜小路(現在の桜枝町)で和紙の商いをしていた初代、清水佐吉を礎に、四代目與助が明治24年に始めた柏與印刷の六代目として生まれました。激変する時流を読み、製造業としての印刷から、情報サービス業としての印刷へ転身。中世ヨーロッパで民に情報を伝える役目を担っていた「タウンクライヤー」であれと、社名から印刷の文字をとってカシヨ株式会社へと変更し、社是である「もっとも古く、もっとも新しく」の精神で、情報共感・情報発信企業として歴史を重ねてきました。
「ながの情報」もその一翼を担い、地域に必要な情報を発信すると同時に、地域内の重要なコミュニケーションツールとして時代を彩りました。40代以上の方は、「ながの情報」をご存知の方も多いのではないかと思います。当時は多くの読者の方が誌面に登場して「ながの情報」を盛り上げてくださり、地域経済活性化の一助となれたのではないかと自負しています。
2000年代に入ると、世界はインターネットの時代に突入。スマートフォンも爆発的に普及し、私たちはいつでも、どこでも、インターネットに接続できるようになりました。それに伴って情報の入手の仕方、スピードも変化し、従来の「ながの情報」は役目を終えました。
平成16年に有料版の発行を終了し、新たにフリーペーパーとして「ながの情報FREE」を発刊。平成29年からは「ながの情報NEXT」として、単なる情報ツールではなく、「ながの情報」というフィルターを通して、「伝えたい情報」「伝えるべき情報」を地域に発信し続けています。「ながの情報」を軸に、行政や学校、企業とのコラボによる企画や情報発信も展開。「ながの情報」だからできる地域とのコミュニケーション、情報発信を大切にしていきたいと思います。今、長野で頑張っている人、応援したい情報を地域に届けることで、少しでも地域活性に貢献することができればと考えています。
初代から数えて、今年で194年。カシヨは常に時代の変化に対応し、情報発信の在り方を模索し続けています。200年を迎える6年後、どんな世界が広がっているのでしょうか。今から楽しみです。