• 仲間とともに
    雪を踏み固めて作る
    真っ白なかまくらが
    誰かを笑顔にできる幸せ。

      • かまくら応援隊

        事務局長 足立 高

        Takashi Adachi

      • かまくら応援隊
      • 住所/飯山市寿817-2
      • https://kamakuranosato.net/

かまくらの里の始まりは
信濃平スキー場。

 飯山市寿の顔戸生まれ。自然豊かな黒岩山の麓の集落で育ちました。小学校の頃に、黒岩山一帯が全日本スキー選手権と国民体育大会のスキー競技予選会場となり、地域全体が盛り上がっていたのを記憶しています。中学の頃には信濃平スキー場の前身となる黒岩スキー場ができ、スキーブームの熱の高まりとともに、民宿や旅館もたくさんできました。自分はスキー場や旅館とは関係のない仕事に就きましたが、週末になると飯山全体が大勢のスキー客で賑わっていましたね。長野県のスキー場はどこも盛況だったのではないかと思います。
 かまくら作りは当初、信濃平スキー場で始まりました。当時は最初に大きな雪山を作ってから掘り進める、昔ながらのやり方でかまくらを作っていたようです。スキー場に来てくださったお客様にスキー以外の楽しみもと、地域の旅館の方たちが始められ、それが2001年、信濃平スキー場の閉場を経て、地域へと引き継がれました。
 この頃から、かまくら作りにバルーンを使うようになったそうです。ハンググライダーを製造する企業に協力を依頼してできた特注品は、通称「かまくら君」。これを使うことで、短い時間でかまくらを作ることが可能となり、時代を追うごとに作る数も増えて、現在の「かまくらの里」へと成長を遂げました。

仲間と一緒に作るのが
なにより楽しい。

 私自身がかまくらを作るようになったのは、今から15年ほど前です。定年退職してすぐに区長となり、外様区長会が主催する「かまくらまつり」に関わったことで、かまくら応援隊に加入しました。
 かまくら作りを一手に担う「かまくら応援隊」は、現在、会員数25名ほど。平均年齢は70歳超えですが、みんな元気いっぱいです。秋頃から雪の心配をし始め、正月が明けた頃から、かまくら作りに取り掛かります。1基作るのに、7人から8人で1時間半ほど。除雪機でバルーンに雪を飛ばし、その雪を足で踏み固めながら雪の壁を作っていきます。重労働ですが、役割を分担し、息を合わせて段取りよく進められるようになりました。作る数が年々増えて、今は20基以上のかまくらを、仲間とともに2週間ほどで仕上げます。実はよく見ると、形がちょっとずつ違っているんですよ。作る人の味が出るのも、かまくら作りの醍醐味ですね。踏み固めが弱いと崩れやすくなるので、毎年、工夫しながら頑張っています。そうしてできあがった時の爽快感は格別ですし、そのあと仲間と一杯飲む時間もまた楽しい。そしてなにより、来場してくださった皆さんが、「楽しかった」と笑顔で言ってくださるのが励みになります。
 今年は「かまくらまつり」は中止ですが、「レストランかまくら村」は開催します。2023年の1月20日(金)から2月26日(日)まで、毎日予約を受け付けています。かまくらの中で、地元産の野菜をたっぷり入れた信州味噌仕立ての名物「のろし鍋」を食べられる「お食事プラン」や、お汁粉などを楽しめる「おやつプラン」、そのほか宿泊が付いた「宿泊プラン」などもあります。詳しくはホームページを確認してください。12月20日(火)からWeb先行予約が始まりますので、早めにチェックしてください。
 昼は青空に真っ白なかまくらが映え、夜はかまくらの中にともる灯が幻想的な「かまくらの里」。ぜひ一度、冬の飯山を楽しみに、遊びに来てください。

(2023年1月号掲載)