• 新しいビジネスのための
    仕組みや仕掛けを
    提案することで、
    地域全体の活性化を目指す。




      • 一般社団法人  21世紀ニュービジネス協議会

        常務理事 相馬 豊恒

        Toyohisa Soma

人と出会い、人と語り
動くことで見つかるものがある。

 幼い頃から、人に合わせるよりも自分がやりたいことを優先するような子どもでした。大学進学を機に上京し、法学部へ。といっても弁護士や検事になるつもりもなく、アルバイトばかりしていましたね。唯一、ゼミで学んだ国際関係政治学は非常に面白かったことを覚えています。現在、参議院議員として活躍中の猪口邦子先生が、当時、助教授として在籍しており、先生の下で学べたことは良い思い出となっています。
 大学卒業後は、ベンチャー系のコンサルティング会社へ就職。就活の時に社長が言った、「サラリーマンになるか、事業家になるか、今が決断の時だ」という言葉に感銘を受けて入社しました。当時は、「24時間働けますか」の時代でしたので、仕事はハードでしたね。その中で学んだことは、「思い」の強さが成功の鍵になるということ。多少頭が良くても、資金があっても、たいした「差」にはならないけれど、「思い」から発生するエネルギーは、そこに大きな「差」を生み出すと知りました。

新たなビジネスのための
きっかけを創出する。

 そんなことを思いながら仕事をしていたある日、付き合いのあった税理士の先生から、「長野にCI開発センターという組織があって面白いことをやっているから一度来てみないか」と誘われて。気が付いたら会社を辞めて長野に引っ越し、さらに派生して株式会社価値創造研究所を起ち上げ、いつの間にか21世紀ニュービジネス協議会の常務理事として動くことになっていました。人と出会い、語り合い、面白いと思うことに手を伸ばし続けたら、今、ここに居るという感じです。
 一般社団法人21世紀ニュービジネス協議会は、1987年に設立された団体です。当時の通産省が「これからはニュービジネスの時代だ」と発信したことを受け、長野の有志により活動が始まりました。設立当初は長野オリンピックの誘致活動などを中心に行っていましたが、現在は新たなビジネスのための仕組み作りや、起業支援、地域活性を中心に活動を展開しています。
 例えば、地元の中小旅行業者が独自の旅行商品を企画することで地域の観光振興を進められるよう、第3種旅行業の規制緩和を内閣府へ提案。最初は長野を特区にしようと動いていたのですが、最終的には全国規模で規制が改正されました。これにより従来はできなかった募集型の企画旅行が、営業所のある市町村と隣接する市町村内であれば、企画・販売できることになり、新たなビジネスが創出されています。
 さらに起業支援では、「信州ベンチャーコンテスト」の実行委員会として活動を展開しています。今年で9回を迎えるコンテストは、「高校生部門」・「アイデア部門」・「起業部門」の3つの部門に分かれており、今年は53件の応募がありました。長野を元気に明るくするためのビジネスアイデアを形にし、このコンテストを機に起業して頑張っている人もいます。これらの活動を発信し続けることで、さらに多くの起業をバックアップできればと考えています。  
 昨年は事務所をR-DEPOTに移し、さらに新しい出会いによる展開を模索しています。R-DEPOTには出会いの交差点のような役割を期待しています。

(2023年2月号掲載)