ながの情報6号(1973年5月30日発行)に掲載された広告。信州の清酒「雲山」のロゴデザインは、当時も今もまったく変わっていません。酒にまつわる人の感情や状況を文字のみで表現した、インパクトのある広告です。
創業、寛永14(1637)年。以来、今日まで善光寺お膝元の蔵元として酒を醸し続けています。
「雲山」は、戦後の混迷期を抜けた昭和35(1960)年、西之門「よしのや」、信州新町「塩入酒造場」、中野「山形屋」、小布施「桝一市村酒造場」、戸倉「坂井銘醸」、若穂「原沢屋」の、親戚など親しい蔵元6蔵が集まって設立した共同壜詰場「雲山銘醸」が売り出した日本酒です。当時、共同会社を設立すると、不足していた原料米を多く割り当ててもらえるという国策があり、県内では先んじて会社を設立。各蔵で醸した酒を集めて造った「雲山」は、醸せば醸しただけ売れて一気に拡大し、信州の酒といえば「雲山」と言っていただけるまでになりました。
ながの情報に広告を出した昭和48(1973)年は、日本全体の清酒生産量がピークの頃です。その後、時代の変遷とともに日本酒に求められるニーズも変化し、「よしのや」も方向を転換。平成7(1995)年には「西之門ブランド」を起ち上げ、技を活かしたこだわりの酒をお客様へお届けしています。「雲山」も、1990年代後半からは「よしのや」で醸した酒だけを瓶詰めしています。日常に味わう香り豊かな酒として、愛好家の皆さまに愛され続けています。
江戸時代より連綿と続く歴史の中で培ってきた酒造りへの情熱や技を活かし、酒を醸し続けています。こだわりの酒はすべて西之門の本店で試飲することができ、ゆっくりと好みの味を探す楽しみも。併設の酒蔵見学も見ごたえ充分で、必見の価値ありです。