• 生涯現役!!
    自然豊かな小川村から真心を込めて
    故郷の味、おやきを
    全国へ届けます。

      • 株式会社小川の庄

        統括製造部長
        萱津 寿津子(79歳)

        Suzuko Kayatsu

      • 株式会社小川の庄
      • 上水内郡小川村大字高府2876
      • https://www.ogawanosho.jp/

小川村で生まれ育ち
小川村で一生を生きていく。

 生まれも育ちも小川村。終戦の年に生まれ、日本の高度成長とともに育ち、昭和・平成・令和の時代を過ごしてきました。小さい頃は、小学校から帰るとご褒美の飴を楽しみに、毎日山を登って両親のいる畑へ手伝いに行っていましたね。当時の子どもは皆、家の仕事を手伝うのが当たり前でした。学校が休みの時に、畑で食べる飯盒で炊いたごはんが美味しくて。物のない時代ですが、楽しく、元気に野山を駆け回っていました。
 学校を卒業後は、バスの車掌に。今の人は知らないと思いますが、当時のバスには必ず車掌がいて、お金を受け取ったり切符を切ったりしていたんです。バスは地域交通の要で、通勤通学の時間帯はいつもぎゅうぎゅうのすし詰め状態。バスの便も何本もあって活気があり、大変でしたがやりがいがありました。そこで縁あって出会った人が同じ小川村出身で、生まれ育った小川村を離れることなく、新たな人生のスタートを切りました。
 「小川の庄」に入社したのは、47歳の頃です。小川の庄の創業が昭和61(1986)年ですから、創業から6年ほど経ったころだったでしょうか。「おやきで村おこしを」と、立ち上げられた職場は、人生の先輩方や同世代の女性が元気に働いていました。それから今日まで32年間、ずっと小川の庄でおやきを作り続けています。

小川村の故郷の味を
全国の人に食べてもらいたい。

 「小川の庄」では現在、1日に約1万2千個のおやきを製造しており、私はそのおやきに詰めるさまざまな種類の「具」を作る部署を統括しています。一番人気の「野沢菜」の取扱量は、年間約100t。小川村で栽培された野沢菜を自社で漬け込んだものを中心に、長野県内の野沢菜漬けも合わせ、独自のレシピで野沢菜おやきの味を守り続けています。
 入社当時、おやきはまだ数種類しか販売していませんでしたが、そこから皆で話し合い、試作を重ねて、小川の庄の成長とともに徐々に種類を増やしていきました。今では定番15種のほか、季節限定商品なども合わせ、常に20種類ほどのおやきを年間を通して販売しています。失敗と成功を繰り返しながら作り上げた具は、どれも自慢の味。中でも「卯の花」のなめらかさは絶品で、しっとりクリーミーな食感になるまで、人の手で大鍋をかき混ぜながらじっくりと炊き上げています。けっこうな重労働なのですが、感覚で「ここ!」というタイミングがあるので、常に目を光らせていますね。作り手の愛情がたっぷり込められた「卯の花」を、ぜひ一度、味わっていただきたいと思います。
 また、おやきの定番である「なす」は、夏季限定の商品となっています。それは、夏に小川村でとれる丸ナスだけを使用しているから。身がぎゅっとつまった小川村の丸ナスでしか、納得できる美味しさが出せないんです。自信を持って美味しいおやきをお届けしたいから、食材にはこだわり続けています。
 今、私と一緒に製造部門を任されているのは、私と50歳も年が離れた若い子です。先輩たちが築き、私たちが育ててきた「小川の庄」を、さらに次代へとつなぐため、彼らが誇りを持って働ける仕事を継承していきたいと思います。働いてお金をかせぐということは大変なことです。だからこそ、職場は明るく楽しく。笑顔で作ったおやきは、必ず美味しいおやきになります。「うちのおやきが一番美味しい」と、全国に自信を持って自慢できるような「小川の庄」で在り続けたい。全国の方に「小川の庄」のおやきの美味しさをもっと知ってもらいたい。そのためにも、まだまだ頑張ります。

(2024年3月号掲載)