木のプロとして
木造建築に携わって。
祖父が小川村で創業した高木建設の5代目として生まれ育ちました。小さい頃は材木置き場が遊び場でしたね。職人さんたちの間を走り回って、みんなに可愛がってもらっていたことを今でも思い出します。
高木建設には、昭和9(1934)年に七二会の尋常高等小学校の第三校舎を手掛けた際の棟板が残されています。建物を建てる時には地鎮祭や上棟式、竣工式などが行われますが、昔は棟板を上棟式に用意し、天井裏に収納していました。今、ここにある棟板は、木造校舎を建て替える際に屋根裏から取り出されたものです。当時の職人たちの息遣いや込められた祈り、歴史の重みを感じませんか。請負人には祖父の名が刻まれており、この歴史を私もまた次の世代へと継いでいきたいと思っています。
木に囲まれて育ったからか私自身も木造の建物が好きで、古民家の再生も手掛けるようになりました。単に壊すだけでなく守る仕事も、私たちの大切な使命だと思っています。茅葺屋根の萱も、毎年自社で揃えているんですよ。高木建設だからできる強みで、古き良きものを未来へと継いでいきたいと思います。
昭和から平成、令和へ
新しい仕事の在り方を追求。
社長に就任したのは、平成11(1999)年のことです。昭和から平成へと大きく変革する中、最も大きく変化したのは「働き方」ではないでしょうか。昔の職人は徒弟制度で休みや残業といった概念がありませんでしたが、もっと皆が安心して働ける職場、環境がしっかりと整った職場が求められるようになり、業界全体で新たな体制作りに取り組んできました。
高木建設でも平成13(2001)年に品質管理の基準となるISO9001を取得し、平成21(2009)年にはエコアクション21を、平成29(2017)年には健康経営優良法人の認定を取得。さらに翌平成30(2018)年には建設業労働安全衛生マネジメントシステム「COHSMS(コスモス)」の認証を取得し、それぞれの活動を促進してきました。そして、その取り組みのすべてがSDGsにつながっていると考え、2019年度からスタートした長野県SDGs推進企業の第1期登録企業として、現在に至るまでさまざまな活動を展開しています。
昨年、娘に社長を任せ、会長に就任しました。これからの時代は女性も活躍し、皆が笑顔で仕事ができる職場を目指していかなければなりません。社員の声に耳を傾け、少しでもサポートできればと思っています。
旬彩菓たむらさんとのお付き合いも、もう長いですね。安茂里地域は皆、仲がいいんですよ。蕎麦朧は、あのホロホロッとした食感とひと口で食べられる上品さがいいですね。私は甘いもの好きなので、蕎麦朧はもちろん、みたらし団子やひじり餅なども大好きでよく食べています。お客様への手土産としても喜んでいただけるので、ありがたいですね。これからも同じ安茂里の仲間として、ともに歩んでいきたいと思います。