旬彩菓たむらを代表する菓子である蕎麦朧は、長野県産の上質な小麦粉、戸隠産の最上級蕎麦粉、和三盆、カルピスバター等を用い、一つひとつ手作業で丁寧に仕上げた、たむらオリジナルの和菓子です。
 小さい頃から善光寺を遊び場にして育ちました。小学校の頃は仲見世を通って帰ると、お土産屋のおじさんが余ったおまんじゅうをくれたりと、昔から人に優しく人情味があって、門前は大好きな町です。今、こうして門前で自分たちの店を持てるのも、善光寺さんのお引き合わせでしょうか。自分の愛する地元でお客様をおもてなしすることができ、本当に幸せです。
   「日本料理 旬花」のある建物は、「養気館」という3階建ての楼閣です。明治中期に建てられた楼閣は、お客様をもてなす迎賓館として使われていたとか。そんな歴史ある建物でお店を営めることを本当に嬉しく思っています。地元のお客様に愛される店として、大切なお食事会やお祝い事、ご法事などにご利用いただけるお店になりたいと、今日まで夫婦、そして娘たちとともにお客様をお迎えしてきました。皆さまから「今までで一番美味しかった」「とても落ち着いた良いお食事会ができました」などのお声をいただくと、本当に嬉しくて。大将はあまり表に出ない人ですが、「自分の料理は先達が築き上げてきたもの。お客様自身が、良い時間、良い会話で料理を楽しんでくださるからこそ、美味しいと言っていただける」と、常にお客様に感謝しています。
(2025年1月号掲載)