• もっと多くの人に
    安心してウィンタースポーツを
    心から楽しんでもらえるよう
    技術を磨き、守っていく。

      • 志賀高原プリンスホテル 志賀高原焼額山スキー場
        ゲレンデ管理(パトロール担当)
        スーパーバイザー

        木原 悠平

        Yuhei Kihara

      • 志賀高原プリンスホテル 志賀高原焼額山スキー場
      • 下高井郡山ノ内町志賀高原焼額山
      • 0269-34-3111
      • https://www.princehotels.co.jp/shiga/

パトロール隊員に憧れて
この道を選んで。

 飯山市にある戸狩スキー場のすぐ近くで生まれ育ちました。家が民宿を営んでいたので、小さい頃からお客さんに可愛がってもらいましたね。スキーは3歳頃から始めたんですが、忙しい両親の代わりに、お客さんにスキー場に連れていってもらったこともあります。そのおかげか今でも冬は大好きで、雪が降るとワクワクします。
 小学校入学後は、冬はアルペンスキーやクロスカントリースキー、夏は野球と、四季を通してスポーツを楽しみました。飯山市外の人に話すと驚かれますが、飯山市の小学校は、冬は登校したら全員クロスカントリーのコースを滑ってから授業が始まるんです。高学年になると、市内にある長峰スポーツ公園で行われるクロスカントリースキーの大会にも出場。自分はどちらかというとアルペンの方が好きだったので、大会で良いタイムが出ると嬉しかったです。
 中学、高校は野球部に所属していましたが、冬はスキーやスノーボードなど、ウィンタースポーツを楽しんでいました。戸狩スキー場で働いている人たちはほとんど顔なじみで、中でもパトロール隊員には憧れがありましたね。将来の進路を決める際、自然とその道を選択し、志賀高原プリンスホテルに就職を決めました。入社後は、念願叶って志賀高原焼額山スキー場のパトロール隊員に。最初はとにかく先輩方に教えを請い、必死に仕事を覚えながら経験を積んでいきました。この冬で8シーズン目を迎える今、少しは自信もついてきたところです。

ウィンタースポーツを
心から楽しんでいただくために。

 標高2、000mを誇る志賀高原焼額山スキー場は、国内のスキー場の中でも最高レベルのパウダースノーが自慢です。山頂からの眺めは圧巻で、バリエーション豊富な20のコースは、初心者から上級者まで楽しんでいただけます。
 早朝、そのコースをひとつずつ確認することから、パトロールの仕事は始まります。夜に降雪があると、立入禁止看板やコース指示を示すポールが見えなくなってしまうこともあるため、お客様の安全を守るためにもチェックは欠かせません。その後は、お客様からの要請に素早く対応できるよう、常に連絡を取り合いながら臨機応変に動いています。
 実は、パトロール隊員になって3シーズン目の冬に、心肺停止で突然倒れたお客様の搬送を経験したことがあるんです。その衝撃は今でも忘れられないですし、全員が協力、対応したことで命が助かったと聞いたときは、本当に嬉しかったです。パトロール隊員としての責任の重さを痛感すると同時に、やりがいを感じることができました。
 最近はバックカントリーが人気で、滑走を禁止されているコース外に出て滑り、怪我をする事故が増えてきています。コース外は、パトロール隊員の安全も確保できないため、救助にも危険が伴います。雪質が良いので楽しくなる気持ちは分かるのですが、ルールを守って滑っていただきたいと思います。
 現在、焼額山スキー場のゲレンデ管理は、「パトロール」「降雪作業」「圧雪作業」を、8名の社員で担っています。まだまだ勉強の日々ですが、技術や知識を身に付け、経験を重ねることで、お客様が安心してウィンタースポーツを楽しめるスキー場を目指していきたいと思います。今年の冬は焼額山スキー場で、ぜひパウダースノーの楽しさを感じていただければと思います。

(2026年1月号掲載)