地獄谷野猿公苑は
野生のニホンザルの生態を
間近で観察できる場として
多くの方に愛されています。

萩原 敏夫
Toshio Hagiwara
生まれも育ちも山ノ内町。地獄谷野猿公苑が開苑した昭和39(1964)年は、実は私の生まれ年でもあります。今日まで同じ年月を重ねてきたかと思うと、不思議な縁を感じます。
野生のニホンザルの生態観察と保護を目的として開苑した地獄谷野猿公苑は、今も多くの研究者が訪れ、サルの生態観察が行われています。苑内で餌付け用に用意しているのは、大麦や大豆、りんごなど。餌づけではありますが、餌やりショーではありません。餌を与える時間も状況によって変え、告知もしていません。苑を訪れるサルたちはあくまでも野生のニホンザルであり、群れは移動しながら春は木の芽、秋は木の実など旬の味を求め、体が必要とする栄養を本能的に欲して動いています。季節や日によって、苑に来てもサルがいないのは野生である証。そんな野生の二ホンザルを間近で観察できることこそ、野猿公苑の醍醐味なのです。(2026年2月号掲載)