
BASIS=土台づくり
を合言葉に
人を、地域を
支える存在でありたい。
2015年の国連サミットで「SDGs」が採択され、2030年までに達成すべき世界共通の目標が示されてから、今年で10年。私たちは、持続可能な社会へと舵を切れているのでしょうか。
このシリーズでは、さまざまな課題解決のために、長野の企業や団体がどんな取り組みを始めているのかをご紹介します。今回は、特定非営利活動法人 信州能力開発ネットワークの理事、事業部長である伊藤大祐さんにお話を伺いました。
一人ひとりが
必要とされる存在に。
信州能力開発ネットワークは、平成27(2015)年に設立された特定非営利活動法人です。「人を育み 世界をつくる」を理念とし、就労継続支援A型事業所「BASIS Biz」、就労継続支援B型並びに自立訓練事業所「green BASIS」を中心に、共同生活支援のための「ベイシスホーム須坂」や自社有機野菜農園「BASIS FARM」、就労移行支援事業所「e-job BASIS」、ベイシス相談支援センター、さらにオリジナルスイーツを販売する「JULIAN」などを展開。何らかの理由で働くことが難しい人たちに、さまざまな就労・生活支援サービスを展開することで自立を支援し、人生を豊かにする一歩を踏み出す、その背中を押すような存在でありたいと日々取り組んでいます。
「BASIS Biz」では、現在20名ほどのメンバーが、当法人と雇用契約を結んだ上でさまざまな仕事に従事しています。多くの企業と連携し、多様な仕事の場を提供することで、メンバーの仕事に対する自信や意欲も向上。今年は4名の方が「BASIS Biz」から巣立ち、企業に就職することができて本当に嬉しく思っています。
「green BASIS」は、自分のペースで生活の基盤を整えながら、仕事やさまざまな活動を通してステップアップを目指します。地域の中に自分の役割を見出すことで、自分らしい在り方を見つけられるようサポートしています。
自社有機野菜農園
「BASIS FARM」を通して。
自社の有機野菜農園「BASIS FARM」を始めたのは、農福連携で地域の農家さんと関わるようになったのがきっかけでした。土に触れることや作物を育てることがメンバーに良い影響を与えることが分かり、と同時に、農家さんの人手不足解消にもつながって、非常に良い関係が構築できたんです。ただ、農家さんからの引き合いが増えてありがたい反面、依頼される仕事に対応できるメンバーが限られていたため、もっと多くの方がそれぞれできる範囲で参加できる農園があればと、思い切って「BASIS FARM」を立ち上げました。現在は、多くのメンバーによって10品目ほどの野菜を栽培。地域のイベントにも呼んでいただけるようになり、「BASIS FARM」を通して私たちの活動や理念を知っていただくことも増えました。
「BASIS FARM」で栽培した野菜は、一般の方に販売するほか、自社運営のスイーツショップ「JULIAN」でスコーンやスムージーの材料として活用されています。「JULIAN」は、地元で長年愛されたパン屋「ジュリアン」の名を継承したスイーツショップ&カフェで、地域文化の継承と活性化を目指すとともに、新たな就労支援の場として、また6次化商品開発の場として展開しています。「JULIAN」のスイーツを美味しく楽しんでいただく中で、私たちの取り組みに興味を持っていただければ嬉しいですね。
法人設立から今年で10年。少しずつ手を伸ばして、誰も取り残さない社会の実現に向けて歩んできました。一人でも多くの方の就労・生活支援を推進するとともに、障がい者雇用の可能性を、啓蒙、啓発していくのも私たちの使命だと考えています。自らが作ったワクにとらわれることなく、新しいことに積極的にチャレンジすることで、あらゆる人の力が発揮されるより良い社会、世界を目指していきたいと思います。。
(2026年2月号掲載)