• 日本茶の美味しさを
    再発見してもらうために
    新しい提案を
    どんどん発信していく。

      • 寿ゞき園茶店 4代目

        鈴木 一平

        Ippei Suzuki

      • 寿ゞき園茶店
      • 長野市南千歳2丁目5-4
      • 026-226-3452
      • 9:00~18:00(アイス販売は11:00~)
      • https://suzukien-chaten.com/

自ら茶を焙じることで
茶の奥深さを知る。

 南千歳で代々茶店を営む「寿ゞき園茶店」の4代目として生まれ、お茶の香りに包まれて育ちました。急須で淹れたお茶を飲むことが当たり前の暮らしの中で、いつしかお茶の種類や良し悪しがわかるように。今思えば、日々いただく一服のお茶から教えを受けたようなものです。両親からは家を継げとは言われなかったのですが、大学卒業後は日本茶の製造・販売を展開する企業に入社し、百貨店でお茶の販売に従事しながら業界について学びました。
 その後、印刷会社の営業を経て、「寿ゞき園茶店」が100周年を迎えた平成28(2016)年の翌年に長野に戻りました。長野駅前で100年続くことの偉大さを改めて感じると同時に、この歴史を守り次の100年へつなぐために、自分にできることは何かを考えるようになりました。
 最初の1年は、お客様の動向や市場ニーズの把握、お茶業界の変化などを熟考。長野の方がほうじ茶をよく飲まれることから、まずは自家製のほうじ茶の焙煎を始めました。「寿ゞき園茶店」ならではの味を出すために試行錯誤し、何度も失敗を繰り返しながら現在の焙じ方にたどり着きました。店舗では、「ほうじ茶」「棒ほうじ茶」「玄米入りほうじ茶」の3種をご用意。ぜひ一度、お試しいただければと思います。ちなみに「ほうじ茶」は沸騰したお湯で淹れるのがポイントです。2杯分であればカレースプーン1杯ほどの茶葉を急須に入れ、必ず沸騰した直後のお湯を注いで30秒ほど待ちます。この時、急須に手を当ててぼーっと待つのがおすすめ。心も温まり、お茶も美味しくなるように思います。

110年続いた店を
自分が200年へとつなぐ。

  「寿ゞき園茶店」といえば、若い方は抹茶のソフトクリームを思い浮かべる方も多いかと思います。長野オリンピックの前から販売していますので、もう30年になります。多くのお客様にご愛顧いただき、本当にありがたく嬉しく思っています。皆さまの期待を裏切らないよう、専門店だから作れる本物の味を追求し、特に抹茶にはこだわっています。現在は福岡県八女産の抹茶と静岡県岡部産の抹茶をブレンド。茶道で実際に使われる高級な抹茶を使うことで、抹茶本来の甘み、深み、苦み、色味を味わっていただけます。牛乳にもこだわり、北アルプス山麓安曇野エリアの低温殺菌牛乳を使用。新鮮な素材を活かして毎日丁寧に店舗で手作りしています。
 さらに今年は、創業110周年を記念して、新たに「茶釜でお茶」を始めます。「煎茶」「ほうじ茶」「棒ほうじ茶」「和紅茶」の4種類からお好きなお茶をお選びいただき、茶釜のお湯を使って急須で入れたお茶をお楽しみいただける、お茶のテイクアウトです。鉄製の茶釜で沸かしたお湯はカドがとれてまろやかな味わいに。日本茶を飲む機会が減っている今、新しい視点でもう一度、日本茶を楽しんでほしいと思います。コーヒーのテイクアウトと同じ感覚で、街中を日本茶のカップを片手に散策してもらえるような日常を目指します。
 また、110周年を記念して、1杯ずつ淹れられるドリップタイプのお茶も発売予定です。春の棚田や秋の鏡池の美しいイラストが映えるドリップバッグは、信州のお土産としても最適です。これからも、日本茶の美味しさを伝えるため、新しいことに積極的に挑戦していきたいと思っています。5月には新茶祭も開催し、110周年を記念した企画もご用意いたします。日本茶の美味しさを再発見しに、ぜひご来店ください。

(2026年4月号掲載)