歴史ある宝光社のお膝元で
宿坊を営んで。
宝光院の頃は17坊あったとされる宿坊のうち、現在宿坊を営んでいるのは14坊で、互いに協力しながら戸隠を訪れる参拝者をお迎えしています。武井旅館は、明治以前は福寿院として代を重ね、神仏分離令の際に神官となってから5代目となりました。昔は「戸隠一山」という意識が強く、人の出入りも少なくて嫁ぐのも本当に狭い範囲だったんですよ。私も戸隠生まれの戸隠育ちで、坊から坊へと嫁ぎました。今はもう時代が変わったので、戸隠にも新しい風が吹き始めています。女将同士も仲が良く、戸隠を訪れる方に少しでも良い思い出を持ち帰っていただけるよう、薬膳を学んで薬膳茶でおもてなしをするなど、心にも体にも良い時間をご提供できるよう取り組んでいます。
武井旅館の主屋である茅葺き屋根の建物と薬医門、庭園は「重要伝統的建造物群保存地区」の特定物件に指定されました。特に江戸時代中期の延享2(1745)年に建てられた主屋は、神仏習合の名残が色濃く残っています。昭和20(1945)年8月に宝光社周辺で起きた大火を運よく免れたことで、福寿院の頃に祀っていた秘仏も守られました。現在は、神仏分離令の際に屋根裏にしまわれた釈迦如来様や不動明王様、お地蔵様などを神殿の横に祀らせていただき、平安時代から連綿と続く戸隠の歴史を語る証として、皆さまにご案内しています。参詣された方にお配りしていた札の版木なども飾ってありますので、興味のある方は坊にお泊まりいただき、悠久の歴史に思いを馳せてみてください。
近年、戸隠の魅力が再認識され、多くの方が戸隠を訪れるようになりました。参拝者をお迎えして感じるのは、「祈りのカタチ」が変わってきたこと。今はさまざまな方がそれぞれの「思い」で五社を参拝しています。時代は変わっても人を惹きつける戸隠の不思議な力に感謝しながら、これからもこの地を守っていきたいと思います。
- 旬彩菓たむらを代表する菓子である「蕎麦朧」は、戸隠産の最上級そば粉、長野県産の上質な小麦粉、和三盆、カルピスバター等を用いた、たむらオリジナルの和菓子です。生地を仕込んで焼き上げるまで、一つひとつの工程を手作業で丁寧に仕上げるからこそ、ほろほろとした独特な食感と風味豊かな蕎麦の香りを感じていただけます。

蕎麦朧を味わう

- 蕎麦朧は、武井旅館がお客様をお迎えする際の御着き菓子として、客室に置かせていただいています。このほわっとした優しい口当たりとそばの香り、和三盆とバターの上品な風味がいいですね。お客様にもご好評をいただいています。