旬彩菓たむら-戸隠一山
 

 長野市伊勢宮に本店を構える「旬彩菓たむら」は、季節の旬、そして人生の折々に訪れる旬を彩るお菓子を作り続けています。そんな「たむら」が、地産地消を志し、地域の素材を求める中で出会ったのが、戸隠の地。良質なそば粉を通して見えてきた戸隠の魅力を、美しい四季とともにお伝えしたいと思います。
 今回は、中谷旅館の代表取締役であり、戸隠神社主任責任役員、さらに戸隠奥社の杜財団の代表理事でもある中谷照由さんに、戸隠五社のうち中社についてお話を伺いました。

知恵の神として崇められる
天八意思兼命を祀る中社。
 修験道が盛んであった平安時代、修験者の一人であった学門行者によって奥院が開かれ、次いで康平元(1058)年に宝光院、寛治元(1087)年に中院が建てられました。中院は、宝光院と奥院の中間にあることから中院と呼ばれるようになり、鎌倉時代初期には、この3院制で比叡山延暦寺の末寺「戸隠山顕光寺」となったのです。
 中院の御祭神は、天八意思兼命であり、神仏習合の時代の本地仏は、お釈迦様でした。天八意思兼命は、天照大神が岩戸に籠って世の中が真っ暗になったときに、天細女命が岩戸の前で舞を踊って賑やかにし、不思議に思った天照大神が岩戸を少し開けたところで、天手力雄命が岩戸を一気に開いて天照大神をお迎えしようという、アイデアを出した神様です。このことから、天八意思兼命は知恵の神様として学業成就に御神徳があるといわれています。
 本殿は昭和17(1942)年に焼失し、昭和31(1956)年に再建されました。幕末から明治にかけて活躍した河鍋暁斎による龍の天井絵もこの火災で焼けてしまいましたが、東京藝術大学や多くの方々の尽力によって復元され、現在も本殿の天井絵となっています。また、神仏分離令の際に釈迦如来像は山を下り、長野市の地蔵院に安置されています。
戸隠の地を皆で守るために
新たな取り組みを。
 中谷旅館は、「儀光坊」として始まり、江戸時代に「宝泉院」と改め、明治時代に「中谷」という姓を名乗るようになりました。昔は「谷」は人が住んでいる場所を示す意味もあり、中社の前に住んでいるから「中谷」と名付けたようです。戸隠の宿坊は皆、この時に自分たちで苗字をつけているので、それぞれの由来を聞いてみるのも面白いかもしれませんね。
 中谷旅館の宿坊からは、中社の正面に建てられた大鳥居がよく見えます。この白木の大鳥居は、令和2(2020)年11月1日に84年ぶりに建て替えられたもので、5年経った今は周りの風景にも馴染み、堂々とした風格を感じさせてくれます。鳥居をくぐるたびに多くの方々のお力添えに感謝し、と同時に、戸隠をより素晴らしい地にするために自分たちも積極的に動かなければならないと、昨年「一般財団法人戸隠奥社の杜財団」を設立。今年度を活動の元年として、さまざまな活動を始めています。
 戸隠は、平成27(2015)年3月に「妙高戸隠連山国立公園」に指定され、国立公園内に五社が存在しています。財団では環境省とも調整を図り、自然を守りながら五社の保全・保護に努めるため、奥社への電力供給や、観光客のためのバイオトイレの新設を計画。戸隠神社はもちろん、「戸隠奥社の杜と杉並木を守る会」とも協力していく予定です。財団を拠点に戸隠を愛する仲間の輪を広げていくことで、戸隠の雄大な自然と戸隠信仰の要となる五社を未来へとつなげていきたい。そのためには、長野市、長野県をはじめ多くの方々のご協力が不可欠です。地域の方々が戸隠の地に魅力を感じ、足を運んでいただけるよう、私たちも力を尽くしていきたいと思います。
戸隠のそば粉を活かした
たむらの代表菓子

蕎麦朧

  • 旬彩菓たむらを代表する菓子である「蕎麦朧」は、戸隠産の最上級そば粉、長野県産の上質な小麦粉、和三盆、カルピスバター等を用いた、たむらオリジナルの和菓子です。生地を仕込んで焼き上げるまで、一つひとつの工程を手作業で丁寧に仕上げるからこそ、ほろほろとした独特な食感と風味豊かな蕎麦の香りを感じていただけます。
蕎麦朧を味わう
  •  子どもの頃に食べていた、香煎という麦のお菓子を思い出しました。なんだか懐かしい気持ちです。戸隠のそば粉を工夫してお菓子にしてもらって、こうして楽しませていただけるのはありがたいですね。優しいそばの香りでとても美味しいです
  • (一財)戸隠奥社の杜財団
  • 住所/長野市戸隠3506
  • TEL/026-254-2001
  • 本店
  • 住所/長野市伊勢宮1-18-14
  • TEL/026-228-9235
  • 営業時間/9:00~18:00
  • 定休日/月曜日
  • 駐車場/8台
  • ながの東急店
  • 住所/長野市南千歳1-1-1ながの東急百貨店 地下1F
  • TEL/026-226-8181(ながの東急代表)
  • 営業時間/10:00~19:00
  • 定休日/ながの東急百貨店に準ずる
  • 駐車場/ながの東急百貨店駐車場をご利用ください。
  • http://www.shunsaikatamura.com/
バックナンバーはこちら

(2026年7月号掲載)