誰のものでもない
自分だけの視点を研ぎ澄ませ
地域の歴史を
もっと楽しんでほしい。

中山 敦
Atsushi Nakayama
生まれも育ちも長野県。小さい頃から賑やかで楽しいことが大好きで、学校ではいつも率先してクラスを盛り上げるタイプでした。ありがたいことに小・中・高と、素晴らしい先生方に見守られ、また母親が教師だったこともあって、自然と教師を目指すようになりました。
長野県立歴史館には、年間で約200団体、1万人を超える子どもたちが長野県の歴史を学びに訪れています。文化財指導主事として小学生の移動教室の案内をしていますが、その際に気を付けていることは、説明しすぎないということ。説明が多くなればなるほど、子どもたちは受け身になってしまい、目の前にある資料を説明された角度からしか見ることができなくなってしまうのです。それよりも、自分の視点で本物の資料をじっくり見て、触って、体感してほしい。「さあ、いろいろ見てごらん」と言うと、子どもたちは目をキラキラさせて散っていきます。耳をすませば、それぞれに自分の感性で資料を見て想像力を膨らませ、子どもたち同士で自分の考えを言い合い、その違いを楽しむ声が聞こえてきます。それこそが本当の学びで、私たちはそのきっかけ、好奇心の「種」を植えることに注力すべきだと思っています。自らの力で学び始める姿は本当に輝いています。(2026年8月号掲載)