戸隠の竹細工を
日々の暮らしの中に。
井上竹細工店は、私で5代目です。店を構えたのは3代目の祖父の代で、大正2(1913)年に創業しました。家にはさらに古い時代の「入林証」が残されており、江戸の頃から山で竹を切って生活していたことが窺えます。戸隠一山として400年以上前から受け継がれてきた竹との暮らしを次代へとつなぐため、新たな取り組みも始めています。
竹細工の技術は、これまで「口伝」で伝えられてきました。これは技術を外に盗られないよう守るためであり、また当時の職人に読み書きができる者がいなかったという理由もあったかと思います。しかし時代の変遷とともに竹細工職人が減っている今、竹細工の技術を継承するべく、さまざまな方法で技術の伝承を行っています。一時はかなり衰退しましたが、現在は職人も30人以上になり、中には移住者もいて力強い限りです。
戸隠の竹細工は、竹を刈るところから道具に仕上げるまで、すべて一貫して一人の職人が行います。竹割り10年と言われる竹細工は奥が深く、作る道具の形に合わせて適した竹を用意できるかで4割が決まります。竹の性質を知り尽くし、手間を掛けて丁寧に編まれた竹細工は、しなやかでとにかく丈夫。大切に扱うことで使うほどに味のある、自分だけの道具に育っていきます。ぜひ一度、戸隠の竹細工を手に取っていただければと思います。
昭和58(1983)年に、長野県の伝統的工芸品に指定された戸隠の竹細工ですが、現在、経済産業省が主管する「国の伝統的工芸品」への指定を目指しています。戸隠の竹細工を後世に残していくためにも、日々の暮らしの中に竹細工を取り入れていただきたいと思います。
- 旬彩菓たむらを代表する菓子である「蕎麦朧」は、戸隠産の最上級そば粉、長野県産の上質な小麦粉、和三盆、カルピスバター等を用いた、たむらオリジナルの和菓子です。生地を仕込んで焼き上げるまで、一つひとつの工程を手作業で丁寧に仕上げるからこそ、ほろほろとした独特な食感と風味豊かな蕎麦の香りを感じていただけます。

蕎麦朧を味わう

- この香ばしい風味とほろほろとした食感は、子どもの頃に食べた「こうせん」に似ていて懐かしいですね。今はもうないですが、隣の家がお菓子屋さんでよく遊びに行っていて。そこで食べさせてもらっていたことを思い出しました。