マルシェをきっかけに
新たな仲間と出会い、
新たな「一歩」が始まった。

10月22日・23日、ながの東急百貨店正面玄関広場にて開催された、「第2回ナガノミライマルシェ」。このマルシェをきっかけに、新たな販路開拓や、出店者間コラボによる新商品の開発が始まっています。地域の企業が互いに協力することで生み出される、新たなストーリーをご紹介します。
一本の電話から始まった
ふたりの出会い。
田中 いつ来ても、このハウスはきれいでトマトが活き活きしているね。あったかくて羨ましいよ。
鈴木 冬は、ほっとしますね。でもずっと中で作業していると、やっぱり暑いんですよ。外との気温差が激しいので大変です。
田中 それはそうか。頑張って美味しいトマトを作ってくれてありがとうございます(笑)。また先日のナガノミライマルシェでは、コラボさせてもらってありがとうございました。
鈴木 いえいえ、こちらこそありがとうございました。マルシェへの出店を決めた時に、事務局の方から「門前ベーカリー蔵さんも出店するので、トマトを提供できるのであれば、コラボパンを作れないか話をしてみますよ」と提案されて。ぜひお願いしますと言ったら、本当にすぐ電話がかかってきてびっくりしました。
田中 実は私も話を聞くまで、「さやまるプロジェクト」さんのことは知らなかったんですよ。日本郵便が長野市にハウスを建ててトマトを作っているなんて本当に驚きました。それで、まずは食べてみようと電話したんです。そしたら鈴木さんのフットワークが軽くて、すぐに持ってきてくれて。トマトは真っ赤でずっしりと重く、果肉もしっかりとして美味しかったです。これはいいと思い、すぐにうちのパン職人と話して、3日ほどで試作が完成しました。
鈴木 初めてお会いしてから、まもなく「試作ができたよ」と連絡が入って驚きましたよ。「朝採り完熟トマト」の良さを引き出したパンは、とにかく美味しくて。スタッフにも大好評でした。それに田中さんがハウスまで足を運んで、私たちのトマト栽培への「思い」を真剣に聞いてくださったのが、とても嬉しかったです。
田中 同じ長野で頑張る仲間として、お互いの良さを活かした商品ができれば、こんなに嬉しいことはないですからね。それに、本当に美味しいトマトだったからこそですよ。マルシェ用のパンだけでなく、うちが運営している長野駅前の飲食店「ウインズ」や、ホテルの朝食でも、さやまるプロジェクトのトマトを出させてもらったからね。
鈴木 ナガノミライマルシェのコラボをきっかけに、地域の事業者さんへと販路が広がったことは、私たちにとって非常に大きな出来事でした。
ナガノミライマルシェでも
互いに連携して。
田中 ナガノミライマルシェでもブースを隣同士にしてもらったから、良い感じで販売できたね。
鈴木 私たちもトマトを販売しながら、「このトマトを使って作ったパンです」と紹介できましたし、ベーカリー蔵のスタッフさんも、「このトマトは、さやまるプロジェクトさんのトマトなんですよ」とPRしてくださいました。ベーカリー蔵のスタッフさんは本当に元気がよかったですね。マルシェの中でも一番大きな声で明るく呼び掛けされていて、私も頑張らなくてはと思いましたよ。
田中 外で開催されるマルシェは明るく元気じゃないと盛り上がらないからね。そう言ってもらえると嬉しいよ。
鈴木 さやまるプロジェクトのトマトは、これまで「ゆうパック」の通販が主軸だったので、地元での認知度が低いことが課題だったんです。長野市のマルシェへの参加も初めてでドキドキしていたんですが、蔵のスタッフさんに元気パワーをもらって、うちも全員参加で頑張りました。その結果、2日間とも完売することができました。
田中 1日目に買ってくれたお客さまが、「美味しかったから」といって2日目も来てくれたって聞いたよ。うちも2日間買いに来てくれたお客さまがいて嬉しかったなあ。わざわざ2日目も来てくれるって、よっぽどだからね。
鈴木 そうなんです。今までダイレクトにお客さまの声を聞く機会が少なかったので、本当に嬉しかったし、自信にもつながりました。それに田中さんを通してパン職人やホテルのシェフなど、プロの方にも評価をいただくことができ、自分たちが目指してきたことは間違いじゃなかったんだと思えるようになりました。
つながりを強めることで
地域を盛り上げたい。
田中 今回、店やホテルでトマトを提供する際に、「さやまるプロジェクトの朝採り完熟トマト」に込められた鈴木さんたちの熱意をPOPにして紹介したら、お客さまにすごく伝わって喜ばれたんです。地元の生産者さんの「思い」まで伝えることの大切さを、改めて実感しましたね。店舗では、もともと地元食材を多く扱っていましたが、単に長野県産というだけではなく、作っている人の声が聞けるものを、自分がちゃんと理解した上で使っていくことが大事なんだと感じました。
鈴木 田中さんと出会えたことで、単にトマトの卸先ということではなく、「さやまるプロジェクトのトマト」を理解した上で使ってくださる方とつながれたことを、とても嬉しく思っています。日本郵便は、地域の活性化も目指すべき使命のひとつなので、自分たちの手で作ったトマトをきっかけに、さらに新たな展開が生まれるよう、これからも頑張っていきたいと思います。
田中 ナガノミライマルシェという機会から生まれた、新たな出会いや展開が、今後もたくさんあるといいですね。今回のマルシェは、荻原市長も来て商品をPRしてくれるなど、長野市が全面的にバックアップしてくれたので、安心して出店することができました。これからも、こういう機会がどんどん生まれて、長野市全体が元気になってほしいと思います。私も頑張ります。